多くの企業で定年は60歳、そのあとは再雇用で働き続けることができるという昨今。定年から年金支給の始まる65歳まで働き、そのあとは年金生活、というのがお決まりのパターンです。しかしその後も働き続ける人たちがいます。「仕事が生きがい」という人から、「働かないと生きていけない」という人まで理由はさまざま。仕方なく働き続ける人たちの理由とは?
手取り13万円、実は「元・大企業部長」の75歳コンビニバイト…勝ち組エリートたちが「定年後も働き続ける」残念な理由 (写真はイメージです/PIXTA)

えっ、大企業の部長さんですか!?コンビニバイトの意外な経歴

――うちのバイト先に75歳の元部長さんがいる

 

そんな投稿をする、20代のコンビニ店員。シフトが被ることがあるという75歳の男性は、「昔、大きな会社の部長だった」というのが口癖。しかし「生活はそれほど楽ではないらしい」といいます。

 

時給1,152円~、深夜帯は1,375円~だというコンビニバイト。ここで月16万円ほど稼いでいるという20代店員。75歳の男性も同じくらいシフトに入っているので「同じくらい稼いでいると思うけど」とのこと。

 

75歳でコンビニバイトをする男性。現役時代はどれほどの給与だったのでしょうか。

 

厚生労働省の調査によると、大企業・非役職者(平均年齢41.4歳)の平均給与は月収で33.4万円、年収で584.6万円。一方、大企業の部長職(平均年齢52.6歳)となると、月収は73.7万円、年収で1228.0万円になります。同じ50代前半で役職なしの同期と比較すると、月収で30万円ほど、年収で530万円ほどの差がつきます。

 

【大企業サラリーマン(役職なし)の月収・年収】

20~24歳:26.5万円/372.8万円

25~29歳:32.9万円/493.6万円

30~34歳:37.5万円/570.0万円

35~39歳:40.9万円/624.2万円

40~44歳:42.2万円/643.6万円

45~49歳:43.2万円/660.0万円

50~54歳:44.9万円/692.1万円

55~59歳:45.0万円/699.5万円

60~64歳:36.0万円/542.9万円

 

出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』より

 

日本にある企業の99.7%は中小企業で、大企業はたった0.3%。働いている人の7割は中小企業勤務だといいます。大企業勤務というだけでも勝ち組であるのに、そこで部長にまで上り詰めたわけですから、75歳でコンビニでバイトをしていますが、誰もが羨む勝ち組エリートだったことに変わりはありません。