日本人「給与は上がった」…しかし「物価高」を超えられず
厚生労働省が毎月発表している『毎月勤労統計調査』。最新となる今年5月の結果をみていくと、「現金給与総額*」は平均28万3,868円と前年同月比2.5%増。雇用形態別にみていくと、一般労働者は36万8,417円で前年同月比3.0%増、パートタイムは10万2,303円で前年同月比3.6%増でした。
*給与として支払われた総額(「きまって支給する給与」と「特別に支払われた給与」との合計)
業種ごとにみていくと、上昇幅トップは「金融業、保険業」の55万3,393円で前年同月比18.9%増と大幅アップ。続いて「複合サービス事業」が38万1,280円で前年同月比16.7%増と続きます。調査16業種のうち、前年からマイナスとなったのは「鉱業、採石業等」(現金給与総額:35万8,607円、前年同月比マイナス4.6%)だけでした。
連日、「賃上げ、賃上げ」と騒がれ、実際に「XX%アップ」「口口万円アップ」などとニュースになっていたので、「おっ、いよいよ自分たちの給与も上がるのか!?」と期待した人もいるかもしれませんが、ただ残念なのが「実質賃金」の減少です。
2020年平均を100とした際の現金給与総額は、84.2で前年比マイナス1.2%。これは14ヵ月連続。物価上昇に賃金の伸びが追いついていない状況です。
【実質賃金の推移】
2022年4月:87.1(-1.7%)
2022年5月:85.2(-1.8%)
2022年6月:139.0(-0.6%)
2022年7月:115.0(-1.8%)
2022年8月:85.1(-1.7%)
2022年9月:83.7(-1.2%)
2022年10月:82.8(-2.9%)
2022年11月:86.5(-2.5%)
2022年12月:170.1(-0.6%)
2023年1月:82.5(-4.1%)
2023年2月:81.4(-2.9%)
2023年3月:87.4(-2.3%)
2023年4月:84.3(-3.2%)
2023年5月:84.2(-1.2%)
※2020年平均=100