40年ぶりの物価上昇の日本だが、世界のなかでは「物価上昇が緩やかな国」
物価の上昇が止まりません。総務省統計局によると、2020年基準の消費者物価指数(2023年5月分)の総合指数は105.1で前年同月比3.2%の上昇、生鮮食品を除く総合指数は104.8で前年同月比3.2%の上昇、生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は104.3で前年同月比は4.3%の上昇。これは、第2次オイルショックの影響が続いていた1981年6月以来、41年11ヵ月ぶりの水準だといいます。
長らく日本人は物価が上昇するという経験がなく、「物価が安くなる」→「モノやサービスが安くなって万歳!」と歓迎してきたので、昨今の値上げのニュースは戸惑いでしかありません。
世界主要国の物価上昇率をみていくと、調査対象45ヵ国中、1位は「アルゼンチン」で72.43%。アルゼンチンはインフレ率が高い国として知られていて、国のGDPに対して輸出量が少なく慢性的な外貨不足だったり、国民の間で通貨ペソへの信頼が低く、不足している米ドルを所有しようとする傾向にあったりと、その理由は色々といわれています。
【世界主要国「消費者物価上昇率」上位10ヵ国】
1位「アルゼンチン」72.43%
2位「トルコ」72.31%
3位「リトアニア」19.71%
4位「エストニア」19.40%
5位「ラトビア」17.31%
6位「チェコ」15.10%
7位「ハンガリー」14.61%
8位「スロバキア」12.77%
9位「チリ」11.64%
10位「コロンビア」10.18%
出所:OECD(2022年) 資料:GLOBALNOTE
上位は、経済的にも不安定な国が並びますが、G7だけに絞ると、トップは「イタリア」で8.20%。そして「日本」はというと、ダントツの最下位。世界でも「物価が全然上昇しない国」といえます。
1位「イタリア」8.20%(21位)
2位「米国」8.00%(22位)
3位「イギリス」7.97%(23位)
4位「ドイツ」6.87%(31位)
5位「カナダ 」6.80%(32位)
6位「フランス」5.22%(37位)
7位「日本」0.34%%(45位)
出所:OECD(2022年) 資料:GLOBALNOTE