銀行がどれくらいお金を貸してくれるかが重要なマイホーム。そんななか、抜群の安定性で銀行から「お金を借りてください!」といわれるのが公務員です。確かに勤めている限り、給与があがっていくと約束され、返済プランも立てやすい……銀行が頭を下げるのもうなづけます。しかし、ローン負担が重く、破産を意識する公務員も少なくないといいます。みていきましょう。
月収23万円・20代夫婦、銀行「公務員だから大丈夫」の太鼓判にマンション購入の無謀…「ローン破綻」覚悟の月返済額 (写真はイメージです/PIXTA)

銀行「ぜひともお金を借りてください」…20代公務員夫婦、東京に新築マンションを買う

国土交通省『令和4年度 住宅市場動向調査』で、マイホーム購入者(世帯主)の平均年齢は40代手前。年齢分布をみていくと、住宅の種別で差はありますが、最もボリュームが多いのは30代。また20代でマイホームを実現するのは、注文住宅(=土地から家を建てる)が最も多く7人に1人の水準となっています。

 

【マイホーム購入者の平均年齢と年齢分布】

◆注文住宅

平均年齢:39.5歳

20代:14.1%

30代:41.7%

40代:23.5%

50代:9.4%

 

◆分譲戸建住宅

平均年齢:37.5歳

20代:12.5%

30代:45.6%

40代:27.9%

50代:8.2%

60代:4.6%

 

◆分譲集合住宅

平均年齢:39.9歳

20代:7.3%

30代:35.4%

40代:24.3%

50代:12.2%

60代:18.1%

 

昨今の初婚年齢は30歳ほどで、第1子誕生はそれから数年後。第1子が小学校入学前にマイホームを購入し、生活基盤を安定させよう……そのため住宅購入の平均年齢が40歳手前となっているのでしょう。またマイホームの頭金は物件価格の1~2割程度というのが一般的。お金が十分に貯まり、何千万円もの買い物に踏み切れることができるのも40歳手前なのかもしれません。

 

このような状況下、20代でマイホームを実現するのは、どのような人なのか……たとえば地方公務員。

 

――公務員といったら、あっさりローン審査を通過した

 

そう投稿するのは、東京近郊で6,000万円の新築マンションを購入したという20代の公務員夫婦。総務省『令和3年地方公務員給与実態調査』によると、都道府県・一般行政職(平均年齢41.2歳)の平均給与は、大卒で32万1,814円。24~27歳で21万0,350円、28~31歳で23万9,603円です。30歳手前で年収は500万円に到達するかどうか。民間企業では中小企業の給与よりは多いものの、大企業には及ばない給与水準です。

 

公務員は、銀行が「ぜひともお金を貸したい!」と考える人たち。収入が安定し貸し倒れリスクが低いため、年齢が若く低収入でも結構な金額を貸してくれるとか。頭金を入れずに物件価格の全額をローンで借り入れてまかなうフルローンでもOKという金融機関も珍しくありません。