新築マンション購入者のボリュームゾーンは30代
金融広報中央委員会の『家計の金融行動に関する世論調査』によると、2人以上世帯の場合の持家率は全国平均で6割強。年齢が上がるにつれて、持ち家率は高くなり、高齢者にもなると8割を超えます。最近は「持たない」ことがトレンドになっていますが、それでもマイホームは多くの人の夢のようです。
国土交通省の調査では、新築マンション購入者(世帯主)の平均年齢は44.8歳。20代で購入するのが7.3%、30代が35.4%、40代が24.3%、50代が12.2%と、30代がボリュームゾーンとなっています。
厚生労働省『2022年 国民生活基礎調査』によると、30代(世帯主)世帯の平均所得は627.2万円。また別調査では、30代前半サラリーマンの平均給与は月収で29.7万円、年収で495.9万円、30代後半で月収33.5万円、年収で560.0万円です。
【年齢別・サラリーマンの月収と年収】
20~24歳:22.1万円/340.2万円
25~29歳:25.9万円/427.4万円
30~34歳:29.7万円/495.9万円
35~39歳:33.6万円/560.1万円
40~44歳:36.4万円/600.8万円
45~49歳:38.8万円/636.1万円
50~54歳:41.1万円/672.3万円
55~59歳:41.7万円/674.0万円
60~64歳:32.2万円/490.5万円
出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』
月収33万円のサラリーマン。共働きで年収630万円ほどで、マンションを購入を検討。そんな平均像がみえてきました。
マイホームを購入する際には、どのような暮らしをしたいかをイメージし、そのあとに現状で無理なく購入できる金額を調べてから物件探しスタート、というのが基本です。無理なく買える金額を考える際、いくつかの基準があります。
まず年収倍率。現在の年収でどれくらいの価格の物件を購入できるか、というもので、「住宅価格÷年収」でもとめます。住宅金融支援機構によると新築マンションの年収倍率は7倍強。上記のサラリーマン家族であれば、4,500万円ほどの新築マンションが適正と考えられます。ただし、地価の高い首都圏であれば8倍ということも。また10倍程度でもOKという金融機関もあります。
もうひとつ、年収倍率のほかに考えたいのが返済倍率。これは年収に対する年間返済額です。マイホーム購入に際し、ほとんどの人が住宅ローンを活用するでしょう。その際に月々の返済額で意識するのが、この数値です。年収400万円以上世帯の上限は35%とされていますが、無理のない返済負担率の目安は20~25%。上記のサラリーマン家族であれば、年間126万円、月々10.5万円程度で返済負担率は20%。仮に30年ローンだとすると、利息分含めて3,800万円程度の住宅ローンであれば、余裕のある返済でマイホームが実現できることになります。
ちょっと頑張って、上限の35%であれば……年間220万円、月々18.3万円の返済というのがギリギリいっぱい。30年、ギリギリいっぱいに耐えられるなら、6,600万円程度の住宅ローンを活用できることになります。