住宅購入年齢があがるにつれて、住宅ローンの完済年齢も上昇傾向にあります。「70代になってもローン返済」というのも珍しい話ではなく「働けるだけ働くつもりだから、問題ないでしょ」という声も。確かに給与収入があれば安心ですが、そこには落とし穴が……みていきましょう。
月収36万円・40代サラリーマン「70歳で住宅ローン完済」の皮算用が…まさか、60歳定年で老後破産「何かの間違いでは」 (写真はイメージです/PIXTA)

40代のサラリーマン「住宅ローン完済は70代」も珍しくない

マイホームを購入するとき、何千万円をポーンと一括で払うことなど一般の人にとっては浮世離れな話。たいていは住宅ローンを活用して購入します。

 

このときに考えることのひとつが、「何年で返済をするのか」ということ。国土交通省『令和4年度 住宅市場動向調査』によると、購入する住宅の種類により多少の違いはありますが、ローン返済は30年前後というのが一般的です。

 

【注文住宅】

平均年齢:39.5歳

購入資金:4,713万円

返済期間:建築32.8年/土地34.5年

 

【分譲戸建住宅】

平均年齢:37.5歳

購入資金:4,074万円

返済期間:32.7年

 

【分譲集合住宅】

平均年齢:39.9歳

購入資金:5,048万円

返済期間:29.7年

 

出所:国土交通省『令和4年度 住宅市場動向調査』より

※平均年齢は世帯主

※購入資金は一次取得者

 

40歳前後でマイホームを購入し、30年ほどかけてローンを返済する……ローン完済は70歳を超えることも珍しくありません。「そんな高齢になってまで、住宅ローンを抱えているなんて無理!」と思う人も多いでしょう。しかしマイホーム購入者は「まったく問題なし」と考えてる人が多数派のようです。なぜなら「70代になっても仕事をしている」から。内閣府『令和5年版高齢社会白書』によると、「あなたは、何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいですか」の問いに対して、収入のある仕事をしている人は、「65歳くらいまで」との回答が11.6%、「70歳くらいまで」が23.4%、「75歳くらいまで」が19.3%、「80歳くらいまで」が7.6%、「働けるうちはいつまでも」が36.7%でした。「働けるうちはいつまでも」の回答も含めると「70代でも働くぞ!」という人は6割を超えます。

 

住宅ローンがあるから70代でも働くのか、それとも、70代でも働くから住宅ローンを利用するのか、わかりませんが、定年を超えても働き続けることが「70代で住宅ローン完済」の根拠になっているようです。