厚生労働省から『国民生活基礎調査』2022年調査の結果が発表されました。家族構成をみていくと、時の流れと共に大きく変化していることがわかります。特に増えているのが「65歳以上の高齢者がいる家族」。そこには負担の大きな介護の問題も。みていきましょう。
「一緒に死ぬつもりでした」85歳・認知症の夫を介護、追い込まれた83歳・妻の懺悔…「老老介護」悲惨な実態 (写真はイメージです/PIXTA)

65歳以上の高齢者は4,029万人…平均所得は年318万円

時代と共に家族のカタチは変わるもの。厚生労働省『2022年 国民生活基礎調査』によると、ひとり暮らしは1,785万世帯で、この20年で1.6倍に。同じく夫婦のみの世帯は1,333万世帯で1.4倍に。一方で、マンガ『サザエさん』のような3世代世帯は208万世帯で、20年前から60%弱、減りました。おじいちゃん、おばあちゃんと孫が一緒に住む家族のカタチは、圧倒的に少数派となっています。

 

一方で、高齢化の進展とともに急速に増えているのが、65歳以上の高齢者がいる家族で2,747万世帯で、全世帯の半数以上。さらに65歳以上の高齢者だけの高齢者世帯は1,693万世帯と、全世帯の3割以上を占めています。

 

65歳以上の高齢者は4,029万人。そのうちひとり暮らしは873万人と、全体の21.7%。2001年は317万人でしたから、この20年でいわゆる「独居老人」は2.7倍にも増えました。また未婚の子どもと同居する高齢者はこの20年で2倍に増えています。

 

【65歳以上の高齢者の家族形態】

●ひとり暮らし:873万世帯

●夫婦のみ:1,638万世帯

●子どもと同居:1,356万世帯

(内訳)

・子夫婦と同居:303万世帯

・おひとり様の子と同居:1,053万世帯

●その他親族と同居:156万世帯

●親族でもない人と同居:5万世帯

 

出所:厚生労働省『2022年 国民生活基礎調査』

 

そんな高齢者の懐事情をみていくと、高齢者世帯の平均総所得は318万円。そのうち公的年金は199万円でした。総所得のうち公的年金が100%を占める世帯は44.0%。80~100%と合わせると約6割と、年金が高齢者の生活においていかに重要かを物語っています。

 

年金199万円ということは月16万円ほど。約6割の高齢者が、これだけのお金を拠り所に暮らしています。