「キャリアの棚卸し」で押さえるべき4つのポイント
それでは、「キャリアの棚卸し」においては何を整理すべきなのでしょうか。とくに重要な4つのポイントを、以下に解説します。
淡々と業務経歴を羅列するのではなく、
客観的視点に立って自己分析をすることは難しいですが、
実績について、オーバートークをする必要はありません。今の立場や役職、
所属している組織のネームバリューやブランドがあまりに強く(
自身の「実績」について、それが社外の人から見てどれほど価値のあることなのか、まずは冷静に把握することが重要です。
「今やりたいこと」や「将来チャレンジしたいこと」を目標として掲げると、意欲的な行動を起こすモチベーションが沸き上がってきます。そのため、キャリアの成功を考える上で、将来のビジョンを語ることはとても重要です。しかしながら、直近の仕事でどれくらいの実績を挙げ、プロフェッショナルとしてどのような評価を得ているのかを客観的に把握して正しくプレゼンテーションできるようにしておくことは、場合によっては、将来について語ることよりも重要なのです。
キャリアの「旬」は短い…だからこそ年に1度は「棚卸し」を
「病気が見つかるのが怖い」という理由で、病院や歯科の健診を避けた経験はないでしょうか。
健康診断で何か問題が見つかると、自己管理の問題点が炙り出されます。それが数値に現れれば医師に厳しい指摘を受け、痛くて辛い治療を受けることになるでしょう。そんな現実から目を背けるために、そもそも健康診断を受けない、という選択をする人も少なからずいるようです。
「キャリアの棚卸し」においても同じように、自分自身では達成感を誇っていた過去の仕事について、実はまったく評価されていなかったことに気がついたり、あるいは理想のキャリアを実現する上での致命的な欠陥が見つかったりします。
しかし、旬を迎えたキャリアの時期、キャリア形成にとって重要な時期というのはごく短いものです。
ですから1年に1回は「キャリアの棚卸し」を行い、いつでも準備を整えておくことが重要です。毎日、一生懸命取り組んだ仕事が「キャリア」として外部から評価されるのか、曖昧な部分を常に明らかにしておくのです。
筆者は、「キャリアの棚卸し」こそが、社会人として一定の経験を有する人の、キャリア形成におけるもっとも初歩的なスタートラインであると考えています。可能であれば、転職エージェントから案件紹介を受ける前段階において、プロフェッショナルから適切な評価とアドバイスを受け、自分のキャリアの棚卸しをこなしておきましょう。