鉄不足?そもそも「鉄」って何?
鉄は多くの食物に天然に存在する鉱物です。植物は土中の鉱物から鉄やその他のミネラルを吸収し成長します。栄養素としての鉄はミネラルの一種としてよく知られています。
ミネラルとは人間の体に微量に存在する栄養素で、体をつくる材料になったり、体のさまざまな機能に関わる酵素の成分になったりするなど、多くの働きをしています。体内で合成ができないため、食物から摂る必要があります。
鉄は2価鉄イオン(Fe2+)と3価鉄イオン(Fe3+)の間で移り変わりやすい性質をもっています。この反応を REDOX(酸化還元)といい、ほぼすべての生物は、この反応を使ってエネルギーを得て生きています。
人間にとっても、生きていくのになくてはならない栄養素なのです。また、2価鉄イオンは、生物系で最も反応性の高いヒドロキシルラジカルという活性酸素を生み出します。
そのため、私たちの体には、鉄が過剰にならないように厳格なシステムが備わっています。
加えて、反応しやすい2価鉄イオンは、血中では比較的周囲と反応しにくい3価鉄に変換され、さらにたんぱく質(トランスフェリン)と結合して、より安定した状態で流れています。また、組織中の3価鉄イオンはアポフェリチンというたんぱく質に包まれ、フェリチンとして安定した状態で貯蔵されます。
どうして鉄不足になるの?
次に、鉄不足はどんな原因で起こるか見てみましょう。
私たちは、食事から1日に10~15mgの鉄を摂取します。そのうち、ざっくり1割、約1㎎が吸収されます。
一方、便や尿、汗、皮膚から排せつされる鉄の量は1日約1mgです。つまり、1日の吸収量と喪失量は等しく、バランスが取れています。
女性は1回の月経で40〜120mL(平均60mL)の血液を喪失します。これは鉄量に換算すると20~60㎎、平均で30mgの鉄に相当します。つまり、生理のある女性は、ひと月あたりの吸収量30mgに対して喪失量は60㎎ となり、鉄が不足してしまうのです。
そのため、月経のある10〜40代の間は貧血が起こりやすいのです。
さらに婦人科系の病気などによって出血が持続すると貧血がひどくなることもあります。月経周期や月経量の異常による貧血も少なくありません。妊娠や授乳で赤ちゃんに栄養を与えることで栄養不足になったり、出産による出血で貧血を起こすこともあります。
このように、女性は男性に比べると鉄不足が起こりやすい一生を送ります。
しかも、疾病による出血に比べ、量が少なくゆっくりと鉄不足が進行するため、だるさや頭痛、息切れなど、普段から貧血という状態に慣れてしまっていて、血液検査で指摘されるまで気づかないことが多いのです。
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