長時間労働が常態化「トラックドライバー」…でも「働き方改革」は嬉しくない!?
そもそも、トラックドライバーの給与は憧れを抱くようなものではありません。厚生労働省『令和4年賃金構造統計調査』によると、トラックドライバー(営業用大型貨物自動車運転者、同大型除く)の平均給与は以下の通り。
◆営業用大型貨物自動車運転者
平均年齢50.3歳、月収286,100 円、年収4,773,700円
◆営業用貨物自動車運転者(大型車を除く)
平均年齢48.0歳、月収263,300円、年収4,379,400円
※月収は所定内給与額で残業代等は含まない
一方、同調査によると、会社員の平均給与は月収31.1万円、年収で496万円。トラックドライバーは平均給与以下の職業だといえます。
また140以上の職業と比較してみると、残業時間が最も長いのが「営業用大型貨物自動車運転者」で月40時間。「営業用貨物自動車運転者(大型車を除く)」は37時間と続きます。「荷物、多すぎて、今日中に配達が終わらない……」。そんなトラックドライバーの悲鳴が拡散されました。あくまでも統計上の数値なので、実態はもっと残業時間は多いのでしょう。思わず、荷物にあたってしまう配達員の動画が非難の対象にもなりましたが、同情せずにいられない状況だったのです。
さらに残業代が月支給額の何割を占めるかをみていくと、トップはやはり「営業用大型貨物自動車運転者」で21.9%。「営業用貨物自動車運転者(大型車を除く)」は20.2%と続きます。残業代が月の総支払額の20%強を占めるという状況。つまり2024年を境に、ドラックドライバーの給与は2割減になるかもしれない、ということを意味します。
給与が2割減、「これでは、やってられない……」そんなドライバーも多いでしょう。ドライバー不足が深刻化し、ネットで買い物をしても一向に荷物が届かない、という事態が現実のものになろうとしています。
いま物流会社各社は、2024年問題への対応も含めて、賃上げも積極的に行っています。しかし、昨今の物価高に対応する程度の上昇幅で、給与2割減の穴埋めをできるものではない、というのが専門家の見方。もはや運送費の値上げはやむを得ず。消費者もそれを受け入れなければ問題解決は難しそうです。