手取り収入を増やしたい……サラリーマンであれば、誰もが願うことですが、その実現のためにはいくつか方法があり、「転職」も有力な選択肢。そのなかで「給与を増やしたいなら、やっぱり外資だな」と外資系企業への転職を決める人も。ただ世の中、そこまで甘いものではないようです。みていきましょう。
月収44万円・42歳の大卒・勝ち組サラリーマン…外資系企業へ転職も「給与50%減」の悲劇 (※写真はイメージです/PIXTA)

大卒サラリーマン…年収1,000万円超えを目指し、外資系企業へ転職

副業、投資、昇進……サラリーマンにとって、手取りを増やす方法はいくつかありますが、なかでもメジャーなのが転職。正攻法といえるのは、いま勤めている会社で昇進を目指すというものであるものの、現状の環境では天井が見えたり、上昇幅が小さかったり、いろいろな事情から「外に出る方が手っ取り早い」と、転職を決める人も多いのではないでしょうか。

 

――どうせ転職するなら、給与にこだわりたい

 

そう考え「外資系企業」を目指す人も。日本最大級のグローバル人材に特化した人材紹介会社エンワールド・ジャパン株式会社が外資系企業、日系グローバル企業で働くグローバル人材1,109人を対象に「転職理由調査」を行ったところ、理由の第1位は「キャリアアップ」。第3位にも「スキルアップ」がランクインし、仕事への高い志が垣間見られます。そして第2位が「給与・報酬を上げたい」で、現状の給与事情に不満・不安を抱いての転職となりました。

 

また「ミレニアル世代(25~39歳)」、「X世代(40~59歳)」、「ベビーブーマー世代(60歳以上)」別にみてみると、「給与・報酬を上げたい」については、39歳以下と59歳以下がそれぞれ79%、67%で転職理由の第2位なのに対し、60歳以上は60%で転職理由の1位になっています。さらに企業を選ぶ際の要素として、全世代で最も多くあがったのが「給与・報酬」。やはり「給与」は転職において強い動機になっていることがわかります。

 

厚生労働省の調査によると、大企業勤務の大卒・サラリーマン(平均年齢41.9歳)の平均給与(所定内給与額)は44.3万円、年収も含めた年収は769.6万円です。50代では平均月収で50万円台後半、平均年収で1,000万円弱になるので、一般サラリーマンからしたら勝ち組の中の勝ち組という水準ですが、さらに高みを目指すとなると、天井は見えてきます。

 

【年齢別「大卒・大企業勤務のサラリーマン」平均給与】

20~24歳    :    24.1    万円/    370.0     万円
25~29歳    :    28.7    万円/    519.3     万円
30~34歳    :    35.1    万円/    630.5     万円
35~39歳    :    42.3    万円/    756.5     万円
40~44歳    :    46.3    万円/    809.2     万円
45~49歳    :    52.7    万円/    901.7     万円
50~54歳    :    57.2    万円/    988.1     万円
55~59歳    :    57.2    万円/    975.1     万円
60~64歳    :    45.5    万円/    740.3     万円
 

出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』より

※数値左:月収(所定内給与額)、右:年収、会社規模従業員1,000人以上企業

 

40代前半の月収の中央値は41.9万円で、上位25%で53.3万円、上位10%で66.6万円。ここまでいくと、40代でも年収で1,000万円突破がみえてきます。さらに年収2,000万円超えレベルとなると、全体の1.5%ほど。ここを目指すとなると「やっぱり外資かな……」という選択肢になるでしょうか。