最近やたらと目につく「老害」という文字。「あの老害上司め!」などと口にした経験がある人も多いのでは。なぜ、目上の上司にそう感じてしまうのか。そこには上司の働きと給与にあるようで……みていきましょう。
「老害は早く辞めてほしい」…月収33万円・大企業勤務の30代サラリーマンが断罪する、働きの悪い50代上司の「給与額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

上司に怒られたくない…その理由に潜む「世代間の違和感」

老害【ろうがい】

 

広辞苑では「硬直した考え方の高齢者が指導的立場を占め、組織の活力が失われること」とされていると説明されていますが、最近、やたらと耳にしたり、実際に口にしたり機会が増えているのではないでしょうか。

 

以前は、目上の人に対しては「ベテラン」などと、どこか尊敬の念を込めた言葉が使われていました。「老害」という言葉が一般的に使われ始めたのは、2000年代に入ってから。規制緩和により非正規社員が増え、至る所で「格差」が話題になりだすと、怒りの矛先の一部が、自分たちよりも上の世代に向かい、いつしかマイナスの感情を込めて、やたらと「老害」と表現するようになったといわれています。

 

世代間のギャップについては、平安中期、清少納言も枕草子で「最近の若者は言葉が乱れてる。何から何まで省略したような言葉を使い、みっともない」と綴っている通り、ずっと昔から話題になっていたこと。では最近の上司/部下は、お互いをどのように思っているのでしょうか。匿名相談サービス「JobQ」を展開する株式会社ライボの調査部門『Job総研』が682人の社会人男女を対象にした『2023年上司と部下の意識調査』で、両者の関係性をみていきましょう。

 

まず「上司から叱られた経験」は「経験あり」が38.6%で、年代別にみていくと、「20代」が24.8%、「30代」が46.1%、「40代」が49.2%、50代が49.2%と、年齢があがるほど「叱られた経験」は多くなります。

 

次に「上司から叱られること」について尋ねると、「叱られたい(「叱られたい」「どちらかといえば叱られたい」の合計)」が19.0%。圧倒的に「叱られたくない」が多く、こちらは年代が上がるごとに否定派が増えていきます。

 

「なぜ叱られたくないと感じるのか」、最も多いのが「委縮してしまう」で59.1%。「叱られたくてもしっくりこない」が31.6%、「反論したくなってしまう」が24.2%と続きます。この2番目に多い、「しっくりこない」というのは、まさに世代間の違和感、老害に繋がる感覚だといえるのではないでしょうか。