「圧迫骨折」は予兆がない…気づかぬうちに繰り返しているかも
「尻もちをついた」「ちょっとつまずいた」など、ふとした動作で発症する圧迫骨折。なかには「知らないあいだに骨折していた」という人もおり、「気づかないうちに発症して、いつの間にか治っていた」という場合も少なくありません。
「圧迫骨折」とは
圧迫骨折とは、正式には「脊椎圧迫骨折」といい、脊椎(=背骨)が押しつぶされるように骨折した状態のことをいいます。脊椎は椎骨という骨が連結して作られており、頚椎7個(首)、胸椎12個(胸)、腰椎5個(腰)、仙椎、尾骨と続いています。
圧迫骨折が起きやすいのは、ちょうどみぞおちの後方にある背骨(胸椎と腰椎の移行部)。さらにその部分に骨折が起きると背骨のバランスが崩れ、胸椎でも圧迫骨折が起きやすくなります。
[図表1]圧迫骨折した椎体
先述したように「自分でも気づかないうちに骨折し、知らないあいだに治っている」ことがあるのが、圧迫骨折の怖いところです。腕や脚の骨折とは異なり、圧迫骨折を起こしても「ちょっと腰が痛いな」と感じる程度で、普通に歩いたり動いたりできる方も多くいます。
そのため、気づかないうちに何度も繰り返しているという方も少なくありません。しかし、適切な治療を行わないと、背骨は骨折するたびに圧迫変形を起こし、いずれ背中が丸く曲がってしまいます。
いったんこういった状態になると、骨を切る手術などを行わなければ背筋が伸びなくなってしまうこともあります。まるで昔話に登場するおじいさんやおばあさんのように、腰が曲がった状態で骨が固まってしまうのです。
「寝返りを打ったときや、起き上がったときなどに、背中や腰に痛みを感じる」「お腹周りが痛い」「足にしびれや痛み、麻痺、脱力感がある」などの症状が1週間続く場合は、専門医を受診しましょう。
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