(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者や閉経後の女性が発症しやすいというイメージの「圧迫骨折」や「骨粗鬆症」。しかし、40代や50代の男性が「知らないあいだに発症している」ことも多いと、横浜町田関節脊椎病院の越宗幸一郎院長はいいます。年収も増えて“稼ぎ時”のサラリーマンが圧迫骨折や骨粗鬆症を引き起こす「キケンな生活習慣」と、発症させないための「理想の生活習慣」についてみていきましょう。

圧迫骨折リスクを高める「1日大瓶1本のビール」

圧迫骨折の誘因となるのは、「加齢」や「女性ホルモンの変化」だけではない

圧迫骨折が起きやすいのは、高齢者や閉経後の女性とされています。閉経後の女性に注意が必要とされているのは、本来、骨の代謝を調節している女性ホルモンが閉経とともに減少し、骨粗鬆症を発症しやすくなっているからです。

 

そのため、男性に比べて女性のほうが圧迫骨折を起こしやすく、さらにいくつもの圧迫骨折を同時に発症しやすいとされています。

 

しかし、圧迫骨折の誘因となるのは加齢や女性ホルモンの変化だけではありません。

 

まず気をつけたいのが、アルコールの多飲。過度な飲酒を続けると、お酒を飲むことばかりに意識が向いて食事が疎かになり、栄養失調に陥りがちです。

 

その結果、骨がスカスカ状態となり、圧迫骨折を起こしやすくなります。日本骨粗鬆症学会の「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版」では、1日のアルコール摂取が24g以上で骨粗鬆症による骨折リスクが38%上昇し、大腿骨近位部の骨折は68%上昇したという研究結果が紹介されています。

※ 日本骨粗鬆症学会「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版」p46

 

24gのアルコールというと、ビール大瓶1本、日本酒1.1合くらいの量です。「それくらいは飲んでいる」と心当たりがある人は、意外と多いのではないでしょうか。

 

これに加え、喫煙者も注意が必要です。ニコチンの作用で全身の血流が悪くなり、胃腸の働きが抑えられることで、骨にとって大切なカルシウムの吸収が妨げられるからです。喫煙者は骨折箇所への血流が悪いため、骨折してから治るまで長期化することがわかっています。

 

そのほか、糖尿病や高脂血症など代謝異常のある人、過度なダイエットをしている人も圧迫骨折を起こしやすいとされています。

 

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