(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者や閉経後の女性が発症しやすいというイメージの「圧迫骨折」や「骨粗鬆症」。しかし、40代や50代の男性が「知らないあいだに発症している」ことも多いと、横浜町田関節脊椎病院の越宗幸一郎院長はいいます。年収も増えて“稼ぎ時”のサラリーマンが圧迫骨折や骨粗鬆症を引き起こす「キケンな生活習慣」と、発症させないための「理想の生活習慣」についてみていきましょう。

「圧迫骨折=重度の骨粗鬆症」…発症すると“生涯”治療が必要

圧迫骨折を起こした場合、ほとんどが重度の骨粗鬆症です。そのため、治療を行うのと同時に、骨粗鬆症の治療も必要になります。

 

いちど骨密度が低下し、骨質が劣化してしまった骨は、「完全に元通りになることはない」とされています。

 

骨粗鬆症を発症した場合、骨密度の低下により骨折しないために、骨粗鬆症の治療を生涯にわたって継続する必要があります。

 

ただし、現在では治療薬も進化し、「骨密度の増加が期待できる薬」や「投与間隔が長めで頻繁に投与する手間がない薬」なども開発されています。薬物治療を続けながら、食事療法や運動療法を併用することで骨の強度を高めていくことは可能です。

 

大事なのは、服薬のタイミングや分量など、医師の指示を守ることです。自己判断で薬をやめてしまうと、「オーバーシュート現象」といって急激に骨密度が低下し、圧迫骨折を引き起こしてしまいます。必ず医師の指示に従い、根気よく服用し続けることが大切です。

 

高額な薬の場合「年間20万円以上」…骨粗鬆症はなってからでは遅い

骨粗鬆症を発症すると、生涯、投薬が治療になります。たとえば副甲状腺ホルモン製剤の「テリパラチド」を皮下注射した場合、1ヵ月で約2〜3万円。3割負担の場合には毎月7,000〜1万円ほどかかります。

 

薬の種類によって薬価は異なり、安価なもので1ヵ月1,000円程度、高額なものであれば1ヵ月1万7,000円程度かかります(いずれも3割負担の場合)。

 

これだけの負担を一生涯、抱えなければならなくなるのですから、数十年間払い続けることを考えると、総額は相当なものになります。

 

そのため、骨粗鬆症は発症してから治療するのではなく、発症しないように予防することが非常に重要です。まだ骨が健康な40〜50代から、骨を強くすることを意識した生活を心がけましょう。

 

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