(画像はイメージです/PIXTA)

決算書は、会社の強みや問題点、改善すべき点などがわかる「宝の地図」です。難解なイメージがありますが、実は計算式や専門用語を知らなくても読み解けます。エンジニアから畑違いの「総務・経理管掌」の取締役に転身し働くなかで考案した「風船会計メソッド」で特許を取得し、大学の客員教授も務める松本めぐみ氏が著書「知識ゼロでも分かる 風船会計メソッド」より解説します。今回は「貸借対照表」の読み方です。

お次は「左タテ」の【流動資産と固定資産】

◆1.現金化することがほぼない「固定資産」

次は豚の貯金箱の胴体部分である貸借対照表の左側、通称「左タテ」を見ていきましょう([図表4]「左タテ」のイメージ)。

 

この「左タテ」には、自社のもっている資産がすべて書かれています。上半身には原則1年以内で現金化できるであろう「流動資産」が、下半身には、現金化することがほぼない「固定資産」があります。機械や土地も売れば現金化できるのですが、現実的に考えてそれらを売ると、商売が不可能になります。よって、固定資産を利用して何かしらの商品やサービスを生み、それらを売って現金を生み出すことはあっても、固定資産自体を売却して、現金化することはほとんどありません。

 

[図表4]「左タテ」のイメージ

 

◆2.資産の状況をチェックしてみる

ここで着目してほしいのが、豚の“スタイル”です。上半身である流動資産が多い「グラマーな豚」なのか、上半身、下半身均等の「寸胴体型の豚」なのか、はたまた、固定資産の多い「下半身太りの豚」なのかをチェックします。

 

[図表5]「豚のスタイル」に注目

 

◆3.「豚のスタイル」は業界・業種によってさまざま

先ほどの自己資本比率と違って、上半身と下半身のバランスに「これがいい!」というものはありません。

 

豚のスタイルは、どのような経営戦略を取るかによって、変わっていきます。また、業界・業種によって傾向が異なります。たとえばIT企業なら、固定資産よりも流動資産が多くなるため「グラマーな豚」に、製造業なら固定資産が多くなりやすいので「下半身太りの豚」になってしまいがちなのです。

 

あなたの会社はどんなスタイルでしたか?

 

 

松本めぐみ

 

松本興産株式会社

取締役

 

情報イノベーション専門職大学

客員教授

 

知識ゼロでも分かる 風船会計メソッド

知識ゼロでも分かる 風船会計メソッド

松本 めぐみ

幻冬舎メディアコンサルティング

風船、豚の貯金箱、お化け……ビジュアル化すれば、ややこしい会計が誰でも分かる! 会社の経営改善にもつながる唯一無二の会計メソッドを徹底解説! 経営において「会計」は避けて通れないものであるだけでなく、経営を…

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