生命保険に契約をしていると、担当の保険外交員から年始の挨拶で「お変わりございませんか」と声掛けされることはありませんか? 実はその言葉の裏にはある真意が隠されていると、FP事務所MoneySmith代表の吉野裕一氏は警告します。どんな真意でしょうか、みていきます。
恐ろしい…保険外交員の年始挨拶「お変わりございませんか」の裏に隠された真意【FPが警告】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「なにかお変わりございませんか」の真意

(※写真はイメージです/PIXTA)
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「保険商品の手数料は高い」というイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。保険の手数料の受け取り方はいろいろあるようですが、保険料の払い方で、一時払いであれば、保険料の数%を販売手数料として保険外交員に支払われます。また、毎月や毎年払っていくような払い方であれば、1年目は販売手数料を多く支払い、翌年から数年間は低い販売手数料が支払われることになります。

 

投資信託などでは販売手数料の開示が義務付けられていますが、保険商品に関しては、大手銀行を除いて開示していないのが現状です。

 

ただ保険料総額からみる販売手数料は、高いとはいえないですが、前述したように受け取る期間が一時であったり、数年間の受け取りであったりするために、それ以降は手数料が入らなくなり、保険外交員は新しい契約を取らなくてはいけなくなります。

 

そのため、保険外交員は年始などの季節の節目に「なにかお変わりございませんか」と現状を確認し、わずかなライフステージの変化を汲み取って、現状の保障ではいまのニーズに合っていない、いまのライフステージに合わせた保障への見直しをすべき、と勧めてくるわけです。

 

保険で、常に新しい契約を取り続けるのはとても難しく、いままで加入していた人に対して、新しい提案や乗り換えの提案を行い続けることになっているのが現状といえます。 またやはり営利企業として、ノルマも課せられていることもあるでしょうから、ノルマを熟すためにも、既存客への定期的な連絡が重要な営業となっているようです。

必要のない保険は契約しないが吉

(※写真はイメージです/PIXTA)
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保険会社や乗り合い代理店なども当然、営利企業ですので、利益を増やすことを目指しています。ただ本来、保険は相互扶助の精神で、あるリスクに対して、多くの人でリスクを軽減することが目的です。

 

本来の保険の目的ではない、保険商品の販売が多くなり、顧客優位な営業ではなく、ノルマや売り手側の収入を増やす目的とした営業も多く目につきます。確かに生活環境の変化や医療費制度の変更に伴う保険の見直しは必要だと思いますが、頻繁な見直しは売り手側の都合と捉えられるのかもしれません。

 

 

吉野 裕一

FP事務所MoneySmith

代表