契約年齢とともに上がる保険料
「加入している保険は定期的に見直しをすることが大切です」
このような問いかけを保険外交員から聞いたことがある人も多いかもしれません。または、定期的に年賀状などの挨拶で、「なにかお変わりございませんか」といった伺いを受けている人もいるのではないでしょうか。
営業を行ううえでは、贔屓にしてくれる顧客は、保険外交員にとって非常にありがたいものだと思います。そのようなお客さんにとっても、定期的にコンタクトを取る営業手法には親しみを感じることでしょう。
しかし、保険においてそれは顧客目線で大切なことなのでしょうか。もちろん商売では商品やサービスを提供することは必要で、贔屓にされて何度も商品やサービスを購入してもらうことが利益に繋がります。
保険は「相互扶助の精神」から成り立ち、あるリスクに対して、多くの人からお金を集めて金銭的にカバーされるものです。若くて健康なときには保険料も安くなりますが、高齢になると病気になるリスクや死亡するリスクも高まるため、保険料は高くなることになります。
高齢になったときに保険に加入しようとすると、若い人に比べ同じ保障の保険に加入すると保険料は高くなってしまいます。 誰しも保険料は安くしたいと考えるものですが、定期的に保険を見直すことで、必要な保障の水準を下げずに保険料もキープすることは難しいかもしれません。
一般的に運用リスクは「保険会社が負う」が…「契約者が負う」保険とは?
保険に加入する目的で、保障目的ではない加入を多くみかけます。特に多いのが教育費や老後資金の準備です。現在は低金利となったことで、「目的のないお金をもったいないから保険に加入する」ということは少なくなりましたが、以前は養老保険という満期金と死亡保険金が同額の保険に加入していたのも多く目にしました。
保険会社も「保障」を売るのではなく、こぞって資産形成目的の商品を開発して売っているという現状もあります。企業に対して節税目的とした保険商品も、なかには存在します。いまも教育費目的や老後資金目的の保険加入は多く、金融庁が注意喚起している外貨建て生命保険の加入も多くなっています。最近では、変額保険や外貨建て保険などの市場リスクを有する特定保険契約の商品を販売している保険会社も増えてきています。
変額保険は、一般の保険では保険会社が運用リスクを負い、固定の利回りを約束しているのに対し、運用リスクを契約者が負うことになる保険です。保険に加入して、契約者が主に投資信託の運用商品を選び、運用する仕組みの保険なのです。しかし、保険商品で運用を目的とした場合、基本的には投資信託や円を金利の高い外貨に換えて運用を行うことになり、手数料が多額になります。