国際的かつ家庭的なケアを受けられる稀有な環境
寮は授業棟と隣接しており、生徒たちは4つの寮のグループである「ハウス」のいずれかに所属。寮母のような役割の「ハウスマスター」は共に寮の一角に住み、24時間体制で生徒をケアするとのこと。
「たとえばイレギュラーな音楽のリハーサルや、ミーティング、スポーツの練習などがあれば、ちゃんとその活動に間に合うように朝起こしてくれたり、準備物が揃っているか確認してくれたり。寮長先生はまさに家でご両親が面倒を見てくれるように、それぞれの子どもを気にかけています。
薬を飲む必要がある子には、きちんと時間ごとに飲ませたり、思春期特有の悩みがあるときはとことん一緒に考えたり、個々の心身の成長に寄り添ったきめ細かいケアをしています。入学当初はホームシックになる子もいるので、そんなときはハウスマスターが夜間も付き添うことも。そんな風にじっくり子どもたちと濃密な信頼関係を築いています。また、学習面ではもちろんチューターがつき、その子の興味や才能にあったカリキュラムや課外活動を設計します」(ハロウ安比校広報担当者)
取材する前は漠然と、11歳から15歳の子どもが保護者から離れて英語で暮らすのはハードなのではないかとイメージしていました。しかし各分野のプロが、しっかりと個々の性格や能力を把握していて、かつ温かく生徒たちを育てている様子を見て、そのメリットは確かに存在すると思いました。
また、全寮制ならではの学年を超えた「縦割り」交流の影響も大きいようでした。あえて縦割りの環境にすることで生まれる、家族のような関係性。それが子どもたちに大きなプラスの作用を与えていました。
日本人の感覚をもってすると子どもが幼い頃に離れて暮らすのは淋しいようにも思えますが、教育のプロフェッショナルのもとで自立心やリーダーシップを養えるというメリットがあり、だからこそヨーロッパでは古くからボーディングスクールが発展したのでしょう。
「子どもが1人しかいない我が家は、当初離れて暮らすなどとは考えられませんでした。しかし説明会で、自然豊かな環境と、学校のビジョンに魅了され、検討するように。最終的には子どもが自分の意志でここに通いたいと決めました。初日はホームシックになりましたが、『でも自分で決めたからね、頑張る』と。
今では楽しく学校生活を送っていますし、お休みの際に家に帰ってくるたび、幸せに暮らしていることを子どもの様子から感じます。守られて愛情をもらい、自信に満ち溢れて育っている。そのことが、会うたびに子ども自身から感じられて、とても嬉しく思います」(ハロウ安比校22年入学保護者)
改めてなぜ今、国内外の教育熱心な保護者が「日本にある全寮制インターナショナルスクール」を選ぶのでしょうか?
その理由について、グローバル人材育成に詳しい東洋大学グローバル・イノベーション学研究センター客員研究員、慶應義塾大学名誉教授である竹中平蔵氏、そしてハロウ安比校の初代校長ミック・ファーリー氏に伺います。