最初の判断が間違いだったと認識したならばすぐ撤退
ただし、ここで1つ重要なことがあります。それは、最初の「この株は値上がりする」という判断が間違っていた場合は、大数の法則が働くほど損失を招く、ということです。
もし真実が「本当は割高で、今後は値下がりする」ということならば、大数の法則によって、時間とともに株価は下がっていくでしょう。
つまり大数の法則が働くほど、最初の判断が正しい場合には利益をもたらしますが、そうでない場合は逆に損失を招いてしまうのです。
ですからそんな時は、大数の法則が働かないうちに、すぐに撤退するのがおすすめです。
なお、これらのことを考えると、以下のように整理できるのではないでしょうか。
大数の法則を知って上がるまで待とう、ただし最初の判断が正しい場合のみ
「多くの試行を重ねることで、それぞれの事象の出現回数が理論値に近づいていく」ことを、確率・統計の分野で「大数の法則」といいます。
値上がりすると判断して買った株が、たとえ値下がりしても、不安になったり慌てたりして売ってはいけません。時間が経てば経つほど大数の法則が働き、株価は適正な値に近づいていきます。
しかし、大数の法則が働くほど、最初の判断が正しい場合には利益をもたらしますが、そうでない場合は逆に損失を招いてしまいます。ですから、最初の判断が間違いだったと認識したならば、大数の法則が働かないうちに、すぐに撤退するのがおすすめです。
株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO
川合 一啓