サイコロは多く振るほど、それぞれの目が均等に出てくる
サイコロを振って1が出る確率は、いくつでしょうか?
サイコロの目は1から6まであるので、どの目が出るか、全部で6通りの事象が存在することになります。ですから1が出る確率は、
1が出る事象(1通り)÷全事象(6通り)=1/6
となります。(これを百分率に直せば、1÷6×100で、16.66…%です)
そして同様に、2から6それぞれの目が出る確率も、1/6ずつになります。
しかし、実際にサイコロを6回振った場合、1から6までが1回ずつ出るとは限りません。1が2回出たり、2が3回も出たり、6が1回も出なかったりすることも、あり得るでしょう。
ところが、サイコロを振る回数を100回、1000回、1万回と増やしていくと、それぞれの目が出る回数は全体の1/6ずつに近づいていきます。
このように、「多くの試行を重ねることで、それぞれの事象の出現回数が理論値に近づいていく」ことを、確率・統計の分野で「大数の法則」といいます。
ちなみにスポーツでも、「1回の勝負だとまぐれがあっても、何度もやれば本当に強いチームがやはり多く勝つ」ものです。これなども、大数の法則によるものといえるでしょう。
大数の法則を忘れずに株式投資を
そして株式投資においても、この大数の法則を忘れないようにしましょう。値上がりすると判断して買った株が、たとえ値下がりしても、不安になったり慌てたりして売ってはいけません。
未来は不確実であり株式市場も不安定なものですから、あくまで確率論的に考えるしかありません。試行回数が少ない、すなわち短期であればあるほど、株価は摩訶不思議な動きを見せるものなのです。
一方で、試行回数が多くなってくる、すなわち時間が経てば経つほど、大数の法則が働いてきます。段々と、その値は理論値に近づいていきます。
ですから、当初の判断が正しければ、時間とともに株価はそこに近づいていくのです。
「待てない」投資家は、大数の法則を忘れないようにしましょう。その値下がりはあくまで時が経っていないからであって、待てば待つほど、株価は適正な値に近づいていくと思っていればよいのです。