株式投資では、その間隔に長い・短いはあろうとも、一定期間以上「待つ」ことが必要です。ところが、株価の上下、特に下落に心が揺れ、買った後に当初の予定を変更して売ってしまい、結果として損失を被ってしまう人が少なくないと、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。では、このような投資家はどうすれば待てるようになるのか、詳しくみていきましょう。
株式投資を続けるなら…心に留めておくべき「たったひとつの法則」 (※写真はイメージです/PIXTA)

サイコロは多く振るほど、それぞれの目が均等に出てくる

サイコロを振って1が出る確率は、いくつでしょうか?

 

サイコロの目は1から6まであるので、どの目が出るか、全部で6通りの事象が存在することになります。ですから1が出る確率は、

 

1が出る事象(1通り)÷全事象(6通り)=1/6

 

となります。(これを百分率に直せば、1÷6×100で、16.66…%です)

 

そして同様に、2から6それぞれの目が出る確率も、1/6ずつになります。

 

しかし、実際にサイコロを6回振った場合、1から6までが1回ずつ出るとは限りません。1が2回出たり、2が3回も出たり、6が1回も出なかったりすることも、あり得るでしょう。

 

ところが、サイコロを振る回数を100回、1000回、1万回と増やしていくと、それぞれの目が出る回数は全体の1/6ずつに近づいていきます。

 

このように、「多くの試行を重ねることで、それぞれの事象の出現回数が理論値に近づいていく」ことを、確率・統計の分野で「大数の法則」といいます。

 

ちなみにスポーツでも、「1回の勝負だとまぐれがあっても、何度もやれば本当に強いチームがやはり多く勝つ」ものです。これなども、大数の法則によるものといえるでしょう。

大数の法則を忘れずに株式投資を

そして株式投資においても、この大数の法則を忘れないようにしましょう。値上がりすると判断して買った株が、たとえ値下がりしても、不安になったり慌てたりして売ってはいけません。

 

未来は不確実であり株式市場も不安定なものですから、あくまで確率論的に考えるしかありません。試行回数が少ない、すなわち短期であればあるほど、株価は摩訶不思議な動きを見せるものなのです。

 

一方で、試行回数が多くなってくる、すなわち時間が経てば経つほど、大数の法則が働いてきます。段々と、その値は理論値に近づいていきます。

 

ですから、当初の判断が正しければ、時間とともに株価はそこに近づいていくのです。

 

「待てない」投資家は、大数の法則を忘れないようにしましょう。その値下がりはあくまで時が経っていないからであって、待てば待つほど、株価は適正な値に近づいていくと思っていればよいのです。