厚生労働省より『令和4年賃金構造基本統計調査』の結果が公表され、労働者の最新の給与事情が明らかとなりました。今回は新規学卒者の平均給与についてみていきます。
都道府県別「大学新卒者の平均給与」ランキング…「全国平均は22万8,500円」だが、1位東京と47位山形県の愕然たる「給与格差」 (※写真はイメージです/PIXTA)

新卒者の平均給与「月21万7,000円」

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、新卒者の平均給与(所定内給与額)は月21万7,000円。男女別にみていくと、男性は21万8,000円、女性は21万5,900円でした。

 

さらに産業別にみていくと、最も平均給与が高いのが獣医学的サービスや土木建築に関する設計・相談サービス、商品検査などの「学術研究、専門・技術サービス業」で24万0,300円。一方で最も低いのが郵便局や協同組合などの「複合サービス事業」で19万2,700円でした。男女別にみると、男性では「学術研究、専門・技術サービス業」で24万7,100円、女性では「鉱業、採石業、砂利採取業」で23万4,900円でした。

 

また企業規模別にみていくと、大企業(従業員1,000人以上)では22万7,900円、中小企業(従業員10~99人)で20万4,700円。新卒にもかかわらず、企業規模によって2万3,000円ほどの給与差が生じています。

 

また企業規模によっての差が最も大きい業界は「学術研究、専門・技術サービス業」で5万7,000円差。「鉱業、採石業、砂利採取業」4万6,100円、「情報通信業」が3万8,900円と続きます。また最も企業規模による給与差がないのが「運輸業、郵便業」で1万2,400円差でした。

 

大学新卒者に焦点をあてていくと平均は22万8,500円。男女別では、男性22万9,700円、女性で22万7,200円と、全体と大きな違いはみられません。ただ業界別に企業規模による給与差をみていくと、全体とは違う傾向がみられました。

 

最も給与差が大きいのが「鉱業、採石業、砂利採取業」。その差はなんと12万9,200円と、10万円超え。「学術研究、専門・技術サービス業」6万1,000円差、「情報通信業」3万7,900円差と続きます。一方、逆転現象が起きているのが、「建設業」▲4,600円、「運輸業、郵便業」▲3,200円。これらの業種では、大卒時、企業規模による給与格差を感じることはなさそうです。