障壁の高かったPE市場…ネット活用でより身近に
ある海外資産運用会社幹部は、「世界の投資・運用グループが次のユニコーンへの資金配分を望んでいる。セカンダリー市場は、非常に大きな市場に拡大している。これまでPEファンドは、プロの機関投資家向けで、新規投資のリターン面でポートフォリオへ強い圧力があった。しかしセカンダリー市場で買えば、短期間の3~5年で利回りの改善につながる」と説明した。
従来のPEファンド投資は、最低投資金額が高額なことに加え、商品性が複雑であり、通常10年前後におよぶ運用期間中は流動性が低く、解約が困難だった。
このため、機関投資家や年金基金など専門家向けの金融商品と位置づけられ、投資家は途中で換金する必要のない長期資金で投資し、長期的なリターン獲得を目指す傾向が強かった。またPE市場に関する情報は非常に限られた関係者しか得られず、排他的な性質がある参入障壁の高い業界とみられていた。
長期にわたる経営への深い関与により、運用実績は向上するものの、初期のリターンはマイナスになる可能性が高く、情報量も少なかったため、一般の個人投資家や投資初心者は手を出しづらい状況だった。
しかし最近は、こうした需要をとらえて、インターネットなどを活用し、日本国内の個人投資家に対してPEファンドの情報を提供するところも増えているようだ。
従来、多額の資金と専門的な知識・人材が必要だったPEファンド投資だが、近年は比較的少額から簡単に始めることができるように小口化・低価格化の流れが進むと見込まれており、新たな事業モデルとして柔軟で迅速なポートフォリオの資金配分が可能になりつつあるようだ。
髙橋 文行
池田 祐美
くにうみAI証券株式会社
オルタナティブ・インベストメントプロダクト部
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