厚生労働省より『令和4年賃金構造基本統計調査』の結果が公表され、労働者の最新の給与事情が明らかとなりました。今回は大企業と中小企業の給与について焦点をあてていきます。
月収42万円だったが…「大企業勤務の勝ち組」に嫉妬心すら芽生えない「50代・中小企業勤務のサラリーマン」の壮絶 (※写真はイメージです/PIXTA)

サラリーマンの最新給与事情…企業規模によってどれほど給与は違う?

まだ終身雇用、年功序列など、日本特有の人事制度が根付く日本において、新卒でどのような企業を選ぶかは、大きな分かれ道です。

 

やはり多くの学生が目指すのは大企業。福利厚生や研修制度などが充実しているなど、抜群の安定性が魅力の一方で、昇進が難しかったり、転勤があったり……決してメリットだけではありません。

 

一方で中小企業は、安定性の面では劣りますが、裁量が大きかったり、経営者と近かったりと、とにかくチャンレンジできる、成長できるというイメージ。特に社歴の浅いベンチャー企業を「あえて選ぶ」学生は大勢います。

 

また仕事面だけでなく、差が大きいのは給与面。厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、大卒サラリーマンの平均給与(所定内給与額)は月39.2万円、賞与など含めた年収が640万円です。

 

そんななか、大企業(従業員1,000人以上)勤務の大卒サラリ―マンの平均給与はは月43.2万円、年収で745万円。一方で中小企業(従業員30~99人)勤務の大卒サラリーマンの平均給与は月34.6万円、年収で521万円。給与格差は223万円ほどとなります。

 

また年齢別に給与の推移をみていくと、大企業も中小企業も、年を重ねるごとに給与は増えていきます。そのピークは役職定年の影響からか大企業のほうが若干早く50代前半、中小企業は定年間近の50代後半です。

 

20代前半では、月収で1.5万円、年収で50万円ほどの給与差ですが、20代後半には早くも100万円を超える年収差となり、企業規模による給与格差を実感することに。30代後半で年収格差は200万円を突破し、50代には300万円台となり、60歳定年まで働いた際の生涯年収では8,600万円もの差になります。

 

【年齢/企業規模別「大卒サラリーマン」の給与推移】

20~24歳:24.10万円(368.81万円)/22.64万円(316.29万円)

25~29歳:28.64万円(513.53万円)/25.85万円(386.92万円)

30~34歳:34.80万円(621.98万円)/29.47万円(454.65万円)

35~39歳:41.80万円(745.70万円)/33.70万円(513.12万円)

40~44歳:45.65万円(795.16万円)/37.31万円(569.57万円)

45~49歳:51.90万円(885.26万円)/38.60万円(592.61万円)

50~54歳:56.31万円(970.73万円)/41.02万円(621.62万円)

55~59歳:55.83万円(948.71万円)/42.72万円(637.58万円)

60~64歳:37.82万円(607.75万円)/35.69万円(517.21万円)

 

出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』より

※数値左より、男性・大卒・大企業(従業員1,000人以上)の所定内給与月額、(かっこ内年収)/、男性・大卒・中小企業(従業員30~99人)の所定内給与月額、(かっこ内年収)