早期退職制度…定年時よりも優遇さえる退職金
NHKの武田真一アナウンサーが退職したことが話題になっていますが、その際に利用したのが「早期定年退職制度」。定年年齢を迎える前に自身の意思で退職を選択する制度で、福利厚生内のルールのひとつという位置づけです。
通常、早期退職制度を利用した場合、会社は定年退職時の退職金に上乗せした退職金を払うことが多く、再就職のサポートを行うなどの優遇措置を設けている企業もみられます。
会社としては、組織の若返りや若手社員のキャリア形成の促進などのメリットがある一方で、短期的にコストが増加したり、あまりに制度の利用者が多いと「経営、危ないんじゃない?」と誤解されたり、将来有望の人材が流出したり、というデメリットも。
メリットもデメリットもある早期退職制度ですが、「会社を活性化したい!」と大々的に後押しするケースも。
また同じような制度で「希望退職」もありますが、こちらは経営不振などに備えるため、期間限定で早期退職者を募集する制度。早期退職と同様、退職金の積み増しなどのサポートがありますが、早期退職は福利厚生の一環とされる制度で自主退職となりますが、希望退職は「期間限定の退職制度」であり会社都合退職として扱われます。
厚生労働省『平成30年就労条件総合調査』によると、定年退職金は平均1,983万円。退職時の月収(所定内給与)は51.3万円です。
自己都合の場合は1,519万円で、退職時の月収は51.3万円。会社都合の場合は2,156万円、退職時の月収は61.1万円。そして早期優遇の場合は2,326万円で、退職時の月収は53.6万円*。定年退職時よりも8%ほど、退職金が上乗せされています。
*大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の場合
早期退職制度がある場合、応募できる年齢を50歳以上とする企業が多く、「定年まであと10年あるけれど、300万円ほど退職金増えるので……」という謳い文句で、早期退職を募っているわけです。