誰もが羨む「勝ち組」。たとえば、大企業で働き、出世街道まっしぐら。部長職にまで上りつめた会社員は、誰もが「勝ち組」と認めるところ。だからといって「老後も安泰」とはいかないようです。みていきましょう。
月収74万円・52歳の勝ち組サラリーマン…定年5年後に知る衝撃の年金額「なんとかなるさ」の余裕が一転「エリート老後崩壊」の理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

月収75万円の大企業部長…60歳定年で将来手にする年金は月いくら?

老後は誰もが不安に思うもの。健康はもちろんのこと、やはり気がかりなのは「お金のこと」。年金生活者の過半数が「収入は年金のみ」という現状のなか、早めに老後の生活を設計しておくことが大切です。

 

そのために役に立つのが「ねんきん定期便」。毎年、誕生月に手元に届くもので、50歳未満であれば加入実績にもとづく年金額、50歳以上であれば、60歳まで現行の保険制度に加入した場合に手にするだろう年金額が記されています。この年金額を目安にシミュレーションしておけば、大きく外れることはない、というわけです。

 

ただ「ねんきん定期便……きちんと見たこともない」という人は多いようで、特に生活に余裕のある人ほど目を通したことはなく、「毎年、郵送されると聞いたことはあるが……」という、なんとも残念な状況。

 

たとえば大卒で大企業に就職し、部長職に上りつめたような、いわゆる「勝ち組」と称される人たち。厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、従業員1,000人以上企業、部長職(平均年齢52.4歳)の平均給与(所定内給与)は月74.4万円、年収は1,238万円にもなります。昨今、物価高騰で生活が苦しいという人が多いですが、月収74万円もあればひっ迫感は少ないでしょうか。

 

そんな大卒で勝ち組の道を歩んできた人の生涯年収*1は、ざっと計算すると3億円強。原則65歳から手にする老齢厚生年金を算出する際の標準報酬月額は、32等級中、最高の32等級と、誰が何といっても「勝ち組」で間違いないでしょう。将来の年金額に無頓着になるのも、仕方がないかもしれません。

 

*1:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』の平均値より算出。従業員1,000人以上企業勤務する大卒・正社員、44歳で係長、48歳で課長、52歳で部長に昇進し、役職定年はないものとする

 

60歳の定年とともに現役を引退し、65歳から年金生活に入るとしたら、老齢基礎年金と合わせて手にする年金は月20万円*2ほど。会社員の頂点といえる人でも、60歳で現役引退となると、年金はそれほどインパクトのある額にはなりません。それでも厚生年金受給者の平均年金額は月14万円*3。平均値よりも月に6万円、1年で72万円も多いことになるのですから、老後も十分安泰といえるでしょう。

 

*2:厚生年金の受給額は加入期間が2003年3月までは①「平均標準報酬月額(≒平均月収)×7.125/1000×2003年3月までの加入月数」、加入期間2003年4月以降は②「平均標準報酬額(≒平均月収+賞与)×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数」で計算できるが、便宜上②のみで計算。また老齢基礎年金は満額支給とする

*3:厚生労働省『令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』より