老後も安泰!大企業の平均退職金額は2,000万円超え
会社員であれば、いずれは定年を迎え“現役”を引退するもの。そのあとの生活を支えるものといえば「年金」、そして「退職金」です。
退職金は「必ず払いなさい」と法律で定められているものではなく、企業が独自に取り入れている制度。大きく、従業員の退職時に一括で退職金を支給する「①退職一時金制度」、従業員の退職後、一定期間に渡って退職金(年金)を支給する「②確定給付企業年金制度」、企業が積み立てた掛金を従業員が年金資金として運用する「③企業型確定拠出年金制度」、従業員が退職後、積み立てた退職金が共済機構から支払われる「④中小企業退職金共済」の4つに分類されます。そのうち、退職金と聞いて多くの人がイメージするのが①でしょう。
勤続年数や役職などをもとに、支給金額を企業が独自に決められるメリットがある一方で、支給する退職金は企業が内部留保で確保しなければならないというデメリットも。
退職金、その額はいくらくらいなのでしょうか。
たとえば一般社団法人日本経済団体連合会『2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果』によると、大学卒・総合職・60歳定年の場合で2,440.1万円。高卒・総合職・60歳定年で2,120.9万円。
また中央労働委員会『令和3年賃金事情等総合調査』によると、大学卒・総合職・60歳定年で2,563.9万円、高卒・総合職・定年退職で1,971.2万円。
定年退職で2,000万円。大企業であれば、これがひとつの目安。一方、東京都産業労働局『中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)』によると大卒の定年退職で1,091.8万円。中小企業の場合、大企業の半分程度の退職金、と考えておけばいいでしょう。
大企業で2,000万円、中小企業で1,000万円という退職金ですが、その使い道として多いのが「ローン完済」。収入源が限られる年金生活。そこで住宅ローンを抱えていると、少々厄介と、退職金でローン地獄から抜け出してしまおう、というのです。
現在、マイホーム購入者の平均像は「(世帯主)40歳・ローン3,000万円・30年返済」。仮に金利0.5%、返済方式は元利均等とすると、単純計算、60歳の時点で1,050万円ほどの借入が残っている状態です。
中小企業勤務のサラリーマンであれば、退職金の全部を使ってきれいさっぱり、大企業勤務のサラリーマンであれば、退職金で完済してもなお1,000万円の余裕があるという計算。老後に向けて、視界も良好といったところです。