誰もが羨む「勝ち組」。たとえば、大企業で働き、出世街道まっしぐら。部長職にまで上りつめた会社員は、誰もが「勝ち組」と認めるところ。だからといって「老後も安泰」とはいかないようです。みていきましょう。
月収74万円・52歳の勝ち組サラリーマン…定年5年後に知る衝撃の年金額「なんとかなるさ」の余裕が一転「エリート老後崩壊」の理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

人生勝ち組であっても、老後生活の綿密なシミュレーションは必須

しかし定年直前まで月収75万円強を手にしていたような勝ち組サラリーマン。「ねんきん定期便」もまともにみることなく、定年後にはスパッと現役引退。65歳で訪れる年金生活も「なんとかなるだろう」とざっくりとしか考えてなかったとしたら、定年直前の月収の3分の1以下の年金額は衝撃的かもしれません。

 

――まさか、こんなに年金が少ないとは

 

現役時代に比べて老後は収入が3分の1程度になるというのは、ごく一般的なこと。急に生活水準を低くするのは非常に難しいことですから、収入減を見越してライフスタイルを見直し徐々にサイズダウンしておく必要があります。

 

しかし専門家は、現役時代に生活に余裕がある人ほど漠然としか老後の生活を描けておらず、収入減に対応できないケースが多いと警鐘を鳴らしています。

 

現役時代に余裕があろうとなかろうと、「老後の毎月の生活費」と「老後の毎月の収入見込み」を見積もっておかないと、65歳で年金生活に突入した途端に破綻、ということも現実味を帯びてきます。

 

公益財団法人生命保険文化センターが発表した『2022(令和4)年度 生活保障に関する調査』によると、高齢夫婦の老後の最低日常生活費は月23.2万円、ゆとりある老後生活費は月37.9万円。もし老後の生活水準を現役時代と同程度とするなら、年金のほかにいくら貯蓄が必要となるのか、しっかりとしたシミュレーションのうえ、検討しておくことが重要です。