市場環境に一喜一憂せず企業の市場支配力を見定めて高配当銘柄に注目
「高配当株」が投資の核
私は現在、約100社の株式に分散投資をしています。
銘柄を選ぶ基準は「インカムゲイン」、つまり「配当」です。たとえば駐車場経営のような、黙っていても自然にお金が入ってくるような仕組みです。
私がインカムゲイン目的の投資に集中している理由の一つに、趣味であり仕事でもある、映画プロデュースの資金を得る手段に適しているから、ということがあります。
そういった投資を続けてきたことによって、私がプロデュースした映画が、ありがたいことに国際映画祭で受賞いたしました。
私の場合は映画制作ですが、人によって収入の使い道は、生活資金でも遊びの資金でも良いでしょう。私にとっては、この「インカムゲイン」こそが、投資の核なのです。
そして私の投資手法はどのようなものかと問われれば、「配当などの株主還元に熱心な会社を、安いときに買い、できるだけ長く持ち続ける」ということに尽きます。
このインカムゲイン目的の投資には、他のメリットもあります。
例えば、昨今の円安・株安の状況下において、「キャピタルゲイン」つまり「売却益」狙いの投資家の中には、損失を出している方もいらっしゃるようです。
ビジネスの中には、このように円安や景気の波、疫病などの急激な環境変化に左右されて影響を受けてしまうものが少なくありません。投資においても、売買で得られるキャピタルゲインはこのような外的要因で簡単に消え失せてしまうことがあります。
しかし、インカムゲイン狙いの投資であれば、外的環境の変化があったとしても、将来も継続的に収入が得られる見通しが立ちやすいのです。
具体的には、公共事業を行う会社、通信関連、生活必需品を取り扱う会社など、いわゆる「ディフェンシブ」といわれる銘柄で、かつ、長い配当履歴を誇る銘柄であれば、どんな環境下でも、十分投資に値すると考えます。
株価を下げている株を買う
以上が私の投資に対する基本的なスタンスですが、当然、環境の変化に合わせ、戦術を変化させます。
少しだけ反省しているのは、もう少し多くのドルを保有しておくべきだったということです。
2022年に入り円安が急激に進行しましたが、その兆候がなかったわけではありません。早めに円をドルに換えておくチャンスはあったと思います。
ここまで円安が進んでしまうと、ドル転する(日本円をドルに転換する)リスクが高く、今後反転の見込めそうな海外の優良会社の株を大量に仕込むことが資金的に難しくなります。
高配当の米国株や、ADR(米国預託証券)が値を下げている状態で、「大量に買うこともできるし、待つこともできる」というオプションを持てば、さらに利を乗せることができたのかもしれません。