投資信託の保有コストにあたる信託報酬(運用管理費用)は年率で表記されるので、実際にかかった金額を知っている人は少ないはずです。楽天ユーザーでFP資格を持つ証券会社出身のSGO編集者が、楽天証券で保有している投資信託の管理費用(信託報酬を含む)を確認する方法や、楽天証券の新NISA(つみたて投資枠)でコストが低い投資信託をランキングでお伝えします。
楽天証券で投資信託の「信託報酬の金額」を確認する方法【画像解説】

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投資信託を使った資産形成では、運用期間中にずっとかかるコスト「信託報酬(運用管理費用)」が少しでも安いファンドを選び、リターンを高める方法がセオリーといわれています。

 

しかし、この信託報酬は「年率」で表示されるので、銘柄選びの段階では意識していても、実際にいくらの費用がかかっているかを知っている人は少ないはずです。

 

そこで本記事では、人気ネット証券の1つである楽天証券で取り扱っている投資信託について、

 

  • 信託報酬を含む管理費用の確認方法
  • 新NISA(つみたて投資枠)で買える信託報酬が安いファンド
  • 信託報酬の基本と計算方法

 

などを解説します。最後まで読めば、投資信託のコスト意識が高まり、運用商品を見直すきっかけにもなります。

 

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1. 信託報酬の基本

信託報酬の基本
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

信託報酬は、投資信託の運用や管理にかかるコストのことで、そのファンドで運用している間はずっと発生します。

 

保有している投資信託の金額に対して「年率」で表示され、積立買付をしている場合は保有量が増えるにつれて支払う信託報酬の額も増えていきます。

 

ただし、支払うといっても直接払う必要はなく、信託報酬は毎日算出される投資信託の基準価額から差し引かれて、販売会社(証券会社や銀行などの金融機関)・運用会社・受託会社の3社に間接的に支払う形になっています。

 

1.1. 信託報酬の計算方法

信託報酬の計算方法
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

1日あたりの信託報酬の額は、次の計算式で算出できます。

 

■1日あたりの信託報酬の計算方法

 

投資信託の保有額×信託報酬率(%)÷365日


具体例をあげて説明すると、信託報酬が年率0.2%(税抜)の投資信託を100万円分保有している場合、1日あたりの信託報酬は次のように計算できます。

 

1,000,000円×信託報酬率0.2%×消費税110%(消費税分10%)÷365日=約6円

 

「1日たった6円」と思うかもしれませんが、保有額が増えていったり、信託報酬がもっと高い投資信託で運用したりする場合は、知らない間に引かれるコストが増加し、その分だけリターンを押し下げることになります。

 

そのため、同じ指数に連動するインデックスファンドであれば、信託報酬が少しでも安い投資信託を選んだほうが最終的に残る金額は多くなります。

 

 

1.2. 運用タイプごとの信託報酬の目安

信託報酬は銘柄ごとに異なりますが、投資信託の運用のタイプによって大体決まってきます。ここでは、インデックスファンドとアクティブファンドの信託報酬の平均を紹介します。

 

・インデックスファンド…日経平均株価などの指数に連動するように設計された投資信託
・アクティブファンド…指数を上回るパフォーマンスを目指す投資信託

 

・インデックスファンドの信託報酬の平均

インデックスファンドのイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

インデックスファンドの信託報酬は年率0.1~0.2%程度です。すでに指数に組み込まれている銘柄を買うので手間が少なく、信託報酬は比較的安く抑えられています。

 

・アクティブファンドの信託報酬の平均

アクティブファンドのイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

アクティブファンドの信託報酬は年率1.0~2.0%程度です。ファンドマネージャーが企業を訪問して有望な銘柄を探すリサーチ費用なども含まれるため、インデックスファンドの信託報酬より高く設定されています。

 

ちなみに、人気のアクティブファンドの1つに「ひふみプラス」(信託報酬は年率1.078%)があり、テレビ東京の『ガイアの夜明け』にも登場した、レオス・キャピタルワークスの藤野英人氏が中心となって運用しています。

 

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2. 楽天証券における投資信託の「信託報酬の金額」の確認方法

楽天証券における投資信託の「信託報酬の金額」の確認方法
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

信託報酬はどのようなコストかを把握したところで、楽天証券で信託報酬を含む「投資信託の管理費用」を見る方法を、PCとスマホで分けて解説します。

 

ちなみに、楽天証券と並ぶ人気のSBI証券では、保有している投資信託の管理費用のチェックができません。

2.1. PCの場合

楽天証券で投資信託の信託報酬の金額をPCで確認する方法
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

まずは、PCによる確認方法です。

 

STEP1:「口座管理メニュー」をクリック

楽天証券にPCでログインしたら、「マイメニュー」>「口座管理」の順にクリックします。

 

STEP1:口座管理メニューをクリック

 

 

STEP2:「投信の管理費用を確認する」をクリック

口座管理メニューのなかの「投信の管理費用を確認する」をクリックします。

 

STEP2:「投信の管理費用を確認する」をクリック

 

 

STEP3:「投信管理費用照会」の画面で概算管理費用を確認する

投信管理費用照会の画面で、対象期間の「概算管理費用合計」を確認できます。

 

また、その下の「ファンド名」の行には、各投資信託ごとの概算管理費用も載っています。

 

STEP3:「投信管理費用照会」の画面で概算管理費用を確認する

 

検索期間を指定する場合は、上の検索窓から変更します。ただし、2019年1月以降からしか見ることができません。

 

「投信管理費用照会」の画面で概算管理費用を確認する(期間変更)

 

ご覧のように、筆者の場合、2019年1月~2022年12月の3年間で、合計5,154円の管理費用(信託報酬を含む)を払っていたことがわかりました。

 

2.2. スマホの場合

楽天証券で投資信託の信託報酬の金額をスマホで確認する方法
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

続いて、スマホで確認する方法を解説します。なお、楽天証券のスマホアプリ「iSPEED」では投資信託の管理費用を見ることができません。スマホからチェックする場合は、スマホで楽天証券のWEBサイトにつなぐ必要があります。

 

STEP1:「メニュー」の「投資信託」をタップ

楽天証券にスマホでログインしたら、左上の「メニュー」をタップします。

 

STEP1:「メニュー」の「投資信託」をタップする

 

メニュー画面が表示されたら、「投資信託」をタップします。

 

「投資信託」をタップする

 

 

STEP2:「保有商品」の横の「…」をタップ

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、「保有商品」の横の「…」をタップします。

 

STEP2:保有商品の横をタップする

 

 

STEP3:「投信管理費用照会」をタップする

投資信託に関する様々なメニューが表示されるので、「投信管理費用照会」をタップすると、PCと同じように概算管理費用合計を確認できます。

 

STEP3:「投信管理費用照会」をタップする

 

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3. 楽天証券の新NISAで買える!信託報酬が安い投資信託の比較ランキング

楽天証券の新NISA
(引用:楽天証券)

 

新NISAのつみたて投資枠で購入できる商品は、金融庁が定めた要件を満たした「長期・積立・分散」に適した300本の投資信託とETF(上場投資信託)に限られます(具体的な商品は金融庁のサイトを参照)。

 

楽天証券ではこのうちの約80%にあたる239本の銘柄をカバーしており、NISAを扱っている金融機関のなかではトップクラス(2024年10月1日時点)。

 

ここでは、楽天証券の「投信スーパーサーチ」を使って、楽天証券の新NISA(つみたて投資枠)で買える投資信託を信託報酬が安い順に紹介します。信託報酬が同じファンドは、純資産額が多い銘柄を上から順に載せています。

 

■楽天証券の新NISA(つみたて投資枠)で買える投資信託

順位 ファンド名 信託報酬
(管理費用)
資産クラス
1位

楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド

0.0561%

全世界株式

2位

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

0.05775% 全世界株式
2位

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

0.05775%

全世界株式

2位

はじめてのNISA・
全世界株式インデックス(オール・カントリー)

0.05775%

全世界株式

2位

eMAXISSlim全世界株式(3地域均等型)

0.05775%

全世界株式

2位

TracersMSCI
オール・カントリー・インデックス(全世界株式)

0.05775%

全世界株式

7位

楽天・S&P500インデックス・ファンド

0.077% 米国株式
8位

楽天・先進国株式(除く日本)インデックス・ファンド

0.088% 先進国株式
9位

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

0.09372% 米国株式
9位

たわらノーロードS&P500

0.09372% 米国株式
9位

はじめてのNISA・米国株式インデックス(S&P500)

0.09372%

米国株式

 

ご覧のように、低コストといわれるインデックスファンドの信託報酬は0.1%以下が珍しくなくなってきており、少しでも安いコストで運用しようと各社で競っていることが伺えます。

 

楽天証券で新NISAを始めるときのヒントにしてください。

 

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4. よくある質問

楽天証券の投資信託の信託報酬に関するQ&A
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

最後に、楽天証券における投資信託の信託報酬に関するよくある質問に3つ回答します。本文と重複する箇所もありますが、復習のためにもお役立てください。

Q1. 楽天証券の信託報酬はいつ引かれますか?

楽天証券に限らず、信託報酬は、投資信託の基準価額の算出時に差し引かれます。

 

Q2. 投資信託でかかる信託報酬以外の手数料は?

信託報酬以外の投資信託の手数料には、次のようなものがあります。

 

・購入時手数料

投資信託を購入するときに販売会社(証券会社など)に払う手数料。楽天証券の場合は無料。

 

・信託財産留保額

投資信託を解約(売却)するときに徴収される金額のことで、迷惑料のようなもの。解約した投資信託の信託財産(運用資金)に留保される。ただし、無料のファンドもある。

 

Q3.  投資信託を売却するときに楽天証券に払う手数料は?

楽天証券では、投資信託の売却時も手数料がかかりません。

 

5. まとめ

楽天証券の投資信託の信託報酬のまとめ
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

本記事では、楽天証券で保有している投資信託の信託報酬(運用管理費用)を確認する方法を中心に解説しました。

 

頻繁にチェックすることはないかもしれませんが、楽天証券で投信積立をしている人は、一度確認してみることをおすすめします。この記事を、運用しているファンドを見直すきっかけにお役立ていただけたら幸いです。

 

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