「才能」は分かりやすいものだけじゃない
でも、僕はついぞ聞く機会がなかったんです。僕があなたたちくらいの年齢の時に、今日、僕が話しているような話聞きたかったなって、自分で思うんです。でも、僕、聞くチャンスなかったんですよ。
それはなぜか、って考えてみたんですよ。そしたら、「ああ、それが才能なんだな」と思ったんです。そういう機会に恵まれる才能って、やっぱりあって。少なくとも、皆さんと同じ年の頃の僕には、40年近く前の僕には、その才能がなかった。でも皆さんは、今、僕から話を聞いてる。その才能がある人たちなんですよ。
あとは、その才能を裏切らないで生きていくだけ。素直にその才能を伸ばしていくだけだと僕は思ってて。それが僕と皆さんの差ですね。
さっき言ったみたいに、時間かければ、できないことはないと思ってるんですね。皆さんが10年かければ、おそらく僕が成したことは、全部できます。やりさえすれば。それぐらいエネルギーあると思うんです。すごい勢いで時代は加速してるじゃないですか。
僕が若い頃、インターネットなかったんですよ。飛行機のチケットだって、旅行会社まで自分で足運んで直接買ってたんですよ。全然違うじゃないですか。すごい勢いで加速してる時代に、僕ができたことなんて、皆さんあっという間にできちゃうんだろうなって思っています。
僕は僕のためにがんばってますけど。でもこうやって僕を踏んでいって、どんどん先へ行ってくれないとね、まあ、がんばった甲斐がないって。
僕らは、僕を踏んづけて走り去っていく皆さんたちの背中を見て死んでいきたいわけですよ。だって、それが希望じゃないですか。「ああ、生きててよかったな」って、最後に思えることだからね。