資産形成は早めが肝心といいますが、早くから始めた場合とそうでない場合、具体的にどれくらい差がつくものなのでしょうか。株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也氏が、年収420万円の40代会社員Hさんの事例から「理想の資産形成」を解説します。
年収420万円の40代会社員…同年代よりも給与は低いが「老後は心配していません」のワケ【AFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

35歳で「仮想通貨」にチャレンジ

投資信託と株式での値上がりを経験していたHさんは、投資の情報を日常的に調べるようになっていました。お気に入りは「ブルームバーグ」と「ロイター」です。ブルームバーグやロイターでは世界中で起こっている政治や経済の最新ニュースを確認できます。

 

35歳のころ、日々ニュースを見ているうちに仮想通貨についての記事をよく目にするようになり、試しにボーナスで仮想通貨のなかでも代表的な「ビットコイン」を1BTC20万円で購入しました。

 

すると1年もしないうちに10倍に値段が高騰。これはすごいと思っていると、すぐに値段は高値の半分に下がってしまいました。

 

一喜一憂していたHさんですが、2018年に金融庁が仮想通貨の名称を暗号資産に変更し、課税するというニュースが。法整備され、仮想通貨でたくさんの億万長者が誕生し、税金の支払いについても話題になっていました。そこで新たに2BTCを100万円で追加購入しました。Hさんが37歳のときのことです。

 

Hさんは合計3BTCを120万円で購入していましたが、いまでは1BTC230万円ほどとなり、合計で約690万円の価値になっています(2022年12月現在)。

 

投資信託の積立から始めたHさんですが、投資でお金が増える経験を積みながら、

 

20代(積立投資)→30歳(株式投資)→ 35歳(仮想通貨)

 

とリスクの高い金融商品にもチャレンジしてきました。

 

投資についてさまざまなメディアで情報収集をしながら実際に投資を継続することで、いまでは職場の上司よりも投資に詳しくなっています。

 

まとめ…まとまった貯蓄のためには「時間を味方」に

高所得でなくても、さまざまな投資を実践することで、40歳までに1,500万円ほどの貯蓄(資産形成)は可能です。仮想通貨については、Hさんの場合はタイミングよく値上がりしましたが、仮想通貨を除いた投資信託と株式投資だけでも40歳までに1,000万円貯めることができています。

 

このまま投資信託の積み立てを60歳まで続ければ、投資信託だけでおよそ2,500万円になる予定です。さらに他の資産運用についても勉強しながら実践しているHさんですから、老後については心配していません。

 

まとまった貯蓄をするためには時間を味方につけて、早いうちから資産形成を始めるといいでしょう。そして、自身に合った方法に悩んでいる人は、ファイナンシャルプランナーに相談してみるといいかもしれません。

 

 

武田 拓也

株式会社FAMORE

代表取締役