保険会社に勤める39歳の会社員Aさん。年収は1,200万円で、妻も働いていることから、所得は十分です。好きなものに出費を惜しまない生活を続けていたA家でしたが、「妻の豹変」により家計は火の車に……。株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也FPは、相談に訪れたAさんにどのような助言を行ったのでしょうか、みていきます。
「子どものためよ。わかってくれるよね?」年下妻の“豹変”にうろたえる夫…年収1,200万円、39歳エリートサラリーマンの悲劇【FPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

3歳年下の妻と入籍したAさん、妊娠発覚で「幸せな結婚生活」のはずが…

保険会社に勤める、年収1,200万円の会社員Aさん(39歳)。

 

8年前、契約社員として入社してきた3歳年下のBさんと出会い、社内の飲み会で意気投合。お酒の好みが一緒だった2人は食事に出かけるようになり、数年お付き合いを続けたのちに結婚しました。

 

Bさんは当初「子どもが生まれたあとも、仕事は続けていきたい」と言っていたことから、結婚後も好きなものを買ったり外食したりと、2馬力で充実した暮らしを送っていたそうです。

 

しかし……妊娠を機に、妻の様子がだんだんとおかしくなっていきます。

 

Bさんは専門学校卒で学歴コンプレックスがあったことから、密かに「我が子をエリートにしたい」「いい大学に入ってもらって、周囲に自慢したい」という思いがありました。

 

「胎教_頭_よくなる」「エリート_子育て」など、毎晩のように子育てや教育についてスマホで検索をかけては、子どもがお腹にいるときからさまざまな方法を試します。

 

そして、「わたしが復職すると子育てに専念できない」と、専業主婦になることを宣言。「少しでもいいから働いてほしい」と思っていたAさんでしたが、Aさんだけでも年収がしっかりあることから、妻の願いを受け入れることにしました。

 

出産後もBさんは、我が子をエリートに育てるため積極的にママ友を作り、情報収集を続けます。ある日、「文京区なら質の高い教育を受けられる」と耳にしたBさんは、Aさんに「ねえ、あなた。文京区へ引っ越したいの。子どものためよ、わかってくれるよね?」と訴えました。Aさんは「子どものため」という言葉に反論することができず、引っ越すことに。

 

子育てだけでさまざまな費用がかかるなか、引っ越し代、英語やプログラミング、ピアノといった習い事の費用……月々の支出は増えていく一方です。

 

その結果、A家は世帯年収1,200万円ながら、毎月ギリギリの生活になってしまいました。「どうしよう……このままでは、老後資金が貯まらない」困ったAさんは、FPである筆者のもとへ相談に訪れました。