PRP療法が進化した「APS療法」
近年では、PRP療法の進化版ともいわれる「APS療法」が普及しつつあります。基本的にPRP療法と考え方は同じですが、それぞれ得意とする症例が異なるので、目的によって使い分ける場合があります。
最長3年効果が持続するケースも
APSとは、PRPを遠心分離・特殊加工することで、炎症を抑える働きをするタンパク質と、軟骨を守る成長因子を高濃度に抽出したものを意味します。
これを患者さんの体から採取した血液により作り、再び局所に移植します。いわば、APS療法はPRP療法の進化版ともいわれる治療法です。また、APS療法はPRP療法に比べて白血球をより多く含んでいるため、抗炎症作用が強いという特徴があります。
一般的に、治療後1~4週間くらいで組織の修復が起こり始め、治療後2週間から3ヵ月までにはなんらかの効果が期待できるといわれています。
PRP療法とAPS療法を行った患者さんからは「3年間ほど治療効果が持続した」という人もいますし、「長年の痛みから解放された」「行動範囲が広がった」と喜ばれるケースも多いように感じます。
気をつけたい副作用のリスク
気をつけたいのが、PRP療法は白血球などを含まない場合はほとんど副作用がなく、治療後に気になる症状が出ないのに対し、APS療法は5〜6割の患者さんに副作用が発生するという点です。
症状は「治療当日の夜間や翌日に、膝が熱を持って腫れる」「強い痛みを感じる」「一時的に炎症がひどくなる」などさまざまです。しかし、これらの症状は傷ついた細胞がAPSによって正しく修復されているプロセスであり、ほとんどの場合、2〜3日で治まります。
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