大谷翔平選手も受けた!膝の痛みを治す「最新医療」驚きの効果【専門医が解説】 

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大谷翔平選手も受けた!膝の痛みを治す「最新医療」驚きの効果【専門医が解説】 
(※写真はイメージです/PIXTA)

現在、50歳以上の2人に1人が発症するといわれている「変形性膝関節症」。根本的に治療するには外科手術が基本ですが、「手術をしたくない」「手術をするまでの症状ではないが、痛みをおさえたい」という人も多いでしょう。そのような人にとって選択肢のひとつが「再生医療」。いったいどのような治療で、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。世田谷人工関節・脊椎クリニックの塗山正宏先生が解説します。

PRP療法・APS療法に「向いている人・不向きな人」

これまでご説明したように、PRP療法やAPS療法は自分の血液から採取した成分を移植するだけですから、拒絶反応が起こる確率も低く、変形性膝関節症に悩む患者さんにとっては、非常に画期的な治療法です。

 

とはいえ、すべての人にこの治療が適しているというわけではありません。なかには、PRP療法やAPS療法が向かない症例もあるので、注意が必要です。

 

まず、PRP療法やAPS療法が適しているのは、次のようなケースです。

 

・手術をするレベルではないが痛みを取り除きたい
・変形性膝関節症だが骨の変形がそれほどひどくない
・手術を勧められたが長期間の入院やリハビリが難しい
・膝の痛みで外出やウォーキングが困難である
・ヒアルロン酸注射や薬物療法の効果が持続しなくなってきた

 

これまで変形性膝関節症の治療といえば、「ヒアルロン酸注射や薬物療法」、あるいは「手術」という二者択一でした。しかし、PRP療法やAPS療法が普及したおかげで、第3の選択肢が生まれたのです。

 

この新たな選択肢は、ヒアルロン酸注射と手術の「中間」といった立ち位置。「手術をするほどではないが、痛みを取り除きたい」という方に、特におすすめしたい治療法です。

 

次に、PRP療法やAPS療法が難しい人は下記のようなケースが該当します。

 

・変形性膝関節症の症状が重度でO脚が進行している
・膝が伸びない、曲がらないなどの症状が顕著である

 

また、自分の細胞を治療に使うという特性から、次のようなケースも治療できません。

 

・がんを患っている
・B型肝炎、C型肝炎、HIVなどの感染症にかかっている

 

PRP療法やAPS療法は自費診療

最後に、治療費についても述べておきます。PRP療法やAPS療法は自費診療となり、医療保険が適用されません。

 

そのため治療費は各医療機関によって異なりますが、だいたいの目安として、PFC-FD療法が15〜30万円、APS療法は25~40万円前後と考えていいと思います。

 

ちなみに、人工関節の手術は医療保険が適用になります。さらに、高額療養費制度を利用すれば、平均的な収入の場合、10万円+ベッド代などで治療を受けることが可能です。

 

PRP療法やAPS療法は残念ながら根治を目的とした治療ではなく、痛みなどを軽減するための対症療法です。一方、手術は完全な根治をめざす治療です。

 

そのため、「根治を目的にするのか、あるいは、とりあえず痛みを軽減できればいいのか」「手術に耐えられる体力があるかどうか」などを考慮した上で選択する必要があります。

 

程度の差はありますが、PRP療法やAPS療法を受けた患者さんの多くが、なんらかの効果を実感しています。なかには2、3回繰り返し注射をして、効果を実感される患者さんもいます。

 

PRP療法やAPS療法は、厚生労働省が定める再生医療法に則って行われています。特にAPS療法は、厳しい基準をクリアし、申請が受理された医療機関でしか受けることができません。興味がある場合は、治療を行っている医療機関に相談してみてください。

 

 

塗山 正宏

世田谷人工関節・脊椎クリニック

 

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