学校を卒業以来、ひたすら頑張ってきた会社員。60歳で定年を迎えるも、最近はさらに会社員を続けられるように変わってきています。しかし「この先をゆっくり考えたい」と、ひと息つく人も珍しくありません。その場合、退職金はあるものの収入はゼロになるので、できたら「失業保険」をもらいたいと考えますが……みていきましょう。
大卒・大企業勤務の会社員、60歳定年「退職金2,000万円超」でも「失業保険」をもらいたい (※写真はイメージです/PIXTA)

大卒、勤続35年以上なら「退職金」平均2,000万円以上

たとえば浪人や留年をせずに、ストレートで大学を卒業し、60歳の定年まで働いたとすると、会社員人生は37年ほど。順風満帆だった人は恐らく1人もおらず、多かれ少なかれ苦労をしたはずです。そして定年退職で手にできるのが退職金です。

 

厚生労働省『平成30年就労条件総合調査』によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業割合は80.5%。企業規模別にみると、「従業員1、000人以上」が92.3%、「従業員300〜999人」が91.8%、「従業員100〜299人」が84.9%、「従業員30〜99人」が77.6%。大企業のほうが、退職金に関する制度は充実しているといえます。

 

産業別にみると、「複合サービス事業」が96.1%と最も高く、次いで「鉱業、採石業、砂利採取業」が92.3%、「電気・ガス・熱供給・水道業」が92.2%。一方、「宿泊業、飲食サービス業」は59.7%、「生活関連サービス業、娯楽業」は65.3%、「運輸業、郵便業」は71.3%。業界によって制度の充実具合はさまざまです。

 

退職給付制度がある企業のうち、制度の形態別にみていくと「退職一時金制度のみ」が73.3%、「退職年金制度のみ」が8.6%、「両制度併用」が18.1%となっています。ちなみに退職年金制度は、企業を退職した際に従業員やその遺族に支払われる企業年金のことで、退職一時金制度では退職金を一括で受け取りますが、退職年金制度では分割して定期的にお金を受け取ることが可能です。また確定拠出年金や確定給付企業年金といった制度も、退職年金制度に含まれます。

 

では実際にどれほどの退職金がもらえるのでしょうか。

 

大卒・大学院卒(管理・事務・技術職)の場合、定年退職であれば平均1,983万円。退職時の給与(所定内給与)は月51万3,000円で、およそ38.6ヵ月分の退職金を手にすることになります。また高卒(管理・事務・技術職)の場合は、1,618万円。退職時の給与は月39万8,000円で、およそ40.6ヵ月分になります。

 

また勤続年数別にみていくと、大学・大学院卒の場合、勤続20~24年で1,267万円、勤続25~29年で1,395万円、30~34年で1,794万円、35年以上で2,173万円。新卒から定年まで、1社に一途に働いていたら、平均2,000万円を超える退職金が手に入ります。