会社員人生にいったん終止符をうつ、定年退職。現在、「60歳定年」としている企業が大多数ですが、実際、定年を具体的にイメージできている人は、どれほどいるでしょうか。定年前後に必要な手続きを忘れ、後悔するケースも多いとか。みていきましょう。
平均月給51万円・大卒・59歳会社員「定年退職」まであとわずかだが…何をすべきか?【必要な準備・手続き】 (※写真はイメージです/PIXTA)

年金、健康保険…定年退職前後に発生するかもしれない手続き

いざ定年となったときに困らないよう、準備はしておきたいもの。まず定年退職時に「年金手帳」「離職票」「雇用保険被保険者証」「源泉徴収票」を勤務先から受け取ることになります。これらは定年退職後に発生する可能性の高い手続きで必要となります。離職票は会社によっては申請しないともらえない場合もあるようです。

 

そして定年退職のタイミングで考えたい手続きとして、まずは「公的年金」。老齢基礎・厚生年金は、原則として65歳から受け取ることができますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受け取ることができます。60歳定年からの5年間、収入がゼロとなり、不安を覚える人などは検討するのも手です。ただし繰上げ受給の請求をした時点に応じて年金が減額され、その減額率は生涯変わりません。よく検討して判断しないと、大きな後悔につながる可能性も。

 

なお繰上げにより減額される年金額は、下記の減額率を乗じることにより計算します。

 

減額率(最大24%)=(0.4%*1)×(繰上げ請求月から65歳に達する日*2の前月までの月数*3)

*1:昭和37年4月1日以前生まれの人の減額率は0.5%(最大30%)

*2:年齢の計算は「年齢計算に関する法律」に基づいて行われ、65歳に達した日は、65歳の誕生日の前日になる

*3:特別支給の老齢厚生年金を受給できる方の老齢厚生年金の減額率は、特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢に達する日の前月までの月数で計算する

 

また「健康保険」についても考えておく必要があります。定年退職を機に完全リタイアとなる場合は、大きく「国民健康保険への加入」「健康保険任意継続制度の活用」「家族の扶養になる」の3パターンが考えられます。どのスタイルが良いかは、家族の事情などによるので、比較検討が必須です。