以前のように“職場の飲み会”も減り、若者を中心に酒離れがいわれている昨今。それでも新型コロナ感染の第8波などと騒がれていても「ちょっと早めに忘年会を」などと、何かにつけて飲むのが好きな日本人。どれほどお酒にお金を使っているか、地域別にみていきます。
都道府県「お酒の支出額」ランキング…流行のRTD、一番の愛飲者は「埼玉県人」 (※写真はイメージです/PIXTA)

お酒離れが進んでいるといわれているが…流行のRTDとは?

新型コロナウイルス感染症第8波、さらにはインフルエンザの同時流行の懸念が広がるなか、「忘年会を早めにしておこう」という動きが広がり、週末にもなると、多くの飲食店で陽気な声であふれかえっています。

 

お酒を飲む量も機会も多くなるこの時期。昨今の流行を振り返ると、ヒットのキーワードは「RTD」。「なんだ、その3文字は⁉」という人も多いかもしれませんが、知らず知らずにRTDを手にしているかもしれません。

 

RTDはReady To Drinkの略称で、「開けてすぐに飲める飲料」のこと。似たような単語で「RTS」というものもありますが、こちらはReady To Serveの略称で「注いで飲める飲料」のこと。一般的にRTDは、缶ビールはもちろん、缶チューハイや缶ハイボール、缶カクテルなどを指します。

 

すでに当たり前になっていますが、たとえばハイボール。以前はウイスキーと炭酸と氷をセットに買って愉しむものでした。それがいまやアルコール度数が違ったり、味が違ったりと、多種多様なハイボールが登場。その日の気分で色々選ぶことができます。

 

若者を中心にお酒離れが進んでいるとされていますが、RTD市場は右肩上がり。サントリー『RTDレポート2021』によると、2010年は約1億1,330万ケースだったのが、2021年には約2億8,707万ケースに達したとか。約10年ほどで市場規模は2.5倍以上になっているのです。

 

なぜここまでRTDは支持されているのでしょうか。大きく3つ理由があるとされます。

 

まずはレモンRTDの流行。2018年から2019年にかけておきたレモンサワーブーム。「レモンサワーの美味しいお店」が注目されるなど、「とりあえずレモンサワーで」という人が増えました。甘さ控えめで飽きが来ず、特に唐揚げなどとの相性バッチリ……そんな理由で、家でもレモンサワーを愉しむ人が増えました。そして健康志向の高まりにより「ノンアルコール」も市場も大きく伸びました。

 

そこにきてコロナ禍。外でお酒を飲む機会はぐっと減りましたが、その分、家でお酒を飲む機会は多くなったのではないでしょうか。