円安効果で増収も、原材料高や半導体・部品不足の向かい風が続く
■自動車大手の2022年度の上期決算は、大幅な円安を追い風に増収を確保したものの、本業のもうけを示す営業利益はまちまちの結果となりました。原材料高や半導体不足による減産に加え、ロシアからの撤退費用を計上したトヨタは、中間決算としては2年ぶりの減益となりました。一方、2輪車の販売が好調なホンダや、販売奨励金が大きく減った日産は増益を確保するとともに、通期の業績予想を上方修正しました。
■トヨタグループ主要8社の2022年度の上期決算は、円安効果を原材料高や労務費の上昇がかき消す形となり、総じて冴えない結果となりました。通期の為替前提についてはほとんどの会社が円安方向に見直していますが、金属事業が好調な豊田通商を除き通期の利益予想を据え置く企業が多く、落ち込んだ前年度との比較では大幅な増益見通しとなっているものの、引き続き厳しい事業環境をうかがわせる決算となりました。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【自動車業界の2022年度上期決算】円安が追い風も、原材料高や部品不足で冴えない決算』を参照)。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社