人生100年時代の資産形成はいつから始めるべきか?
バブル崩壊前は、経済も成長し給料も増えていた時代でした。昔は、若いうちは貯蓄などせずに趣味や自己研鑽、交友関係を広げるなど、自分に投資をしろということをよくいわれました。確かに若いうちは失敗を恐れずに自己投資はとても大切だと思います。
しかし、人生100年時代を安心して過ごせる資産形成を行うにも長い時間が必要になります。20代で新社会人となったときには収入も少なく、貯蓄をする余裕がないという人もいるのかもしれません。収入が少ない時期とはいえ、支出も少ない時期ともいえます。
まだ独身の場合では、実家で暮らしている場合もあり、家賃を払う必要がないか親御さんに気持ち程度の生活費などを払うくらいかもしれません。しかし、ひとり暮らしとなった場合には、家賃や光熱費、食費など、支出が多くなります。収入の少ないうちは家賃や携帯代など固定費を低く設定するなどの工夫をしながら、余裕資金を作る必要があります。
新社会人における収支の現状
厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査では、高校卒業の賃金は17万9,700円、大学卒業の賃金は、22万5,400円となっています。手取りにすると高卒で約14万円、大卒で約19万円となります。住んでいる地域にもよりますが、新社会人となり、ひとり暮らしを始めた場合には、家賃も払わなくてはいけないので、上記の収入ではやはりゆとりある生活は難しいように感じます。
総務省が発表している令和3年家計調査では、34歳以下の単身世帯の1ヵ月の生活費は、平均で15万7,411円となっています。家賃を引いた消費支出は12万2,032円です。高卒の人が実家に住むと、家賃は必要なくなり、収入にも余剰金が出てきます。また光熱費や食費もひとり暮らしに比べ、少なくなる可能性も高くなります。大卒の人の場合は、賃貸に住んだとしても収入のほうが多くなり、貯蓄に回すことができそうです。
結婚をしても、子どもが生まれるまでは、貯蓄が出来る時期といえます。女性で結婚を機に仕事を辞めるという人もいますが、この時期には夫婦2人で収入を得ておくと将来のための貯蓄もできるので安心です。支出もそれほど多くない時期だと思います。ただ、収入が多く生活にゆとりがあり、贅沢をしてしまうと貯蓄をすることもできず、今後の生活水準も高くなる可能性もありますので、この時期は将来のライフプランを立ておくと将来の老後の資金や子どもが生まれて教育費の準備に慌てることもなくなります。
子どもが生まれ、子どもが幼いうちは支出は増えるものの、それ程多くの支出ではないので、まだ貯蓄が出来る時期ともいえますが、子どもの教育費について考えなくてはと思う人も増えてきます。