53歳の経営者、健康診断で「血糖値異常」も放置…油断が招いた「足指切断」の悲劇【医師が警告】

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53歳の経営者、健康診断で「血糖値異常」も放置…油断が招いた「足指切断」の悲劇【医師が警告】
(※写真はイメージです/PIXTA)

中高年以降になるとなにかと耳にする機会の多くなる血糖値。健康診断で少し異常があっても、症状が乏しいため放置しがちですが、「最悪の悲劇」を向かえるケースも……MYメディカルクリニック横浜みなとみらい院長の山本康博先生が、53歳男性経営者の事例をもとに高血糖がもたらすさまざまな疾患について解説します。

血糖コントロール成功の秘けつは「食事と運動」

糖尿病治療のための血糖コントロールを成功させるには、食事の習慣を見直す食事療法と、運動習慣を身につける運動療法が欠かせません。以下に、血糖コントロールに有用として実際に行われている食事療法と運動療法の内容を解説します。

 

食事療法…体格にあった量をバランスよく摂取

その人の体格にあった適性量のエネルギーを、栄養バランスよく摂取することが基本です。1日当たりの適切な摂取エネルギー量は、以下の計算式で算出できます。

 

身体活動量×標準体重(身長×身長×22)

 

なお身長はメートル換算で、身体活動量は座り仕事が多い人なら「25~30」、立ち仕事が多いなら「30~35」、力仕事が多いなら「35以上」を目安に計算します。

 

たとえば座り仕事で身長162cmの人の場合、1日あたりの適性エネルギーは、以下のように計算できます。

 

例)25×(1.62×1.62×22)=1443.42kcal/1日当たり

 

また、食事内容と食べ方にも工夫が必要です。三大栄養素をバランスよく摂れるよう、先ほど求めた1日の摂取エネルギー量のうち50~65%が炭水化物、20~30%が脂質、13~30%がタンパク質になるよう心がけましょう。

 

例)座り仕事の162cmの人の場合、およそ炭水化物で720~930kcal、脂質で280~430kcal、タンパク質で185~430kcalずつ摂取すべきと考えられる。

 

なお、急激な血糖値の上昇を避けるために食事は1日3回規則正しく、できるだけよく噛みしっかり時間をかけて食べるようにしてください。

 

運動療法…無理のない強度を「継続」で効果UP

血糖コントロールに有効な運動の目安は「他人とおしゃべりをしながらでも続けられる程度の負荷」です。

 

具体的には、以下のような運動を1回あたり10~30分程度、週に3~5日以上行うといいとされています。

 

•8,000~10,000歩を目標とした散歩、またはウォーキング
•人と話しても続けられる程度の、ゆっくりとした軽めのジョギング
•水中での歩行や、水泳
•簡単なストレッチや体操 など

 

糖尿病の運動療法は、長期間継続して行ってこそ効果を発揮します。食事療法とセットで、体調を見ながら無理のない範囲で始めてみましょう。

 

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