中古不動産投資のメリット
まず、中古物件を購入すると得られる6つのメリットをみていきましょう。
1.新築より高利回り
中古物件は、新築物件と比較すると高利回りといわれています。すでに解説したように、利回りとは、投資した金額に対する収益割合であり、物件の収益力を判断する指標のひとつです。不動産投資の場合、物件取得費に対して、1年間の家賃収入がどれくらいの割合かを示したものともいえます。
物件の立地にもよりますが、一般的に中古物件は新築物件よりも実質利回りが高い傾向にあります。それは先ほどの試算による比較でもおわかりいただけたと思います。つまり、中古物件の方が投資した分だけ高い収益性が見込めるともいえるでしょう。
2.新築より低価格
中古物件は新築物件と比較すると、一般的に低価格で取得できます。低価格で投資用物件を購入できれば、その分ローンの借入額を抑えられることに加え、短期間でローンの完済も可能です。国土交通省が発表した「令和3年度 住宅市場動向調査報告書」によると、中古マンションの取得理由として、「価格/家賃が適切だったから」が61.7%と最も多く、中古住宅を選ぶ大きな要因は価格の安さだとわかります。
3.豊富な物件数
希望するエリアがある程度決まっている場合、新築物件よりも中古物件のほうが選択肢の幅が広がります。新築物件を探す場合、特定のエリアでの物件数には限りがある点がデメリットです。しかし、中古物件ならば豊富な物件数のなかから、納得した形で安定的に収益性の高い優良物件を選択しやすくなります。
4.完成した建物を見たうえで選べる
中古物件は物件が実際にどのような状態にあるのか見てから購入することが可能です。日当たりや室内の広さ、窓からの眺めなどは図面だけではイメージしにくい場合もあるでしょう。
しかし、中古物件であれば完成している建物そのものをみたうえで購入できるため、前後でのギャップが生じにくく、不具合なども事前に把握できるため安心です。特に投資目的で購入する場合、その物件がどれほどの利回りであったのかがわかります。購入前に利回りの実績を知ることができるのは、中古物件ならではのメリットです。
5.すでに入居者がいる場合もある
前オーナーも投資目的でマンションを所有していた物件の場合、購入時点で入居者がいることがあります。入居者はそのままで所有者のみが変わる物件のことをオーナーチェンジ物件といいますが、オーナーチェンジ物件だと少なくとも最初の入居者を探す必要がなく、有利な環境でスタートを切ることができます。
6.リノベーションにより家賃アップを狙える
マンションは時間の経過とともに建物や設備が古くなっていきます。これは経年劣化といって中古マンションの最大のデメリットですが、このデメリットはリノベーションによって克服することができます。
同じ場所に2つのマンションは建てられないので、後から建つ建物ほど立地条件の選択肢は狭くなります。そのため、中古マンションのなかには好立地の物件が少なくありません。好立地であれば、建物の古さや劣化さえ解決すれば理想的な物件に蘇らせることができます。
リノベーションによる再生の技術は年々進化しており、リノベーションの方法論があるからこそ中古マンション投資が人気を集めるようになったといってもよいでしょう。経年劣化とともに家賃相場は下落していきますが、リノベーションによって価値を再生すれば家賃の下落を防ぐだけでなく家賃アップも可能になります。
中古不動産投資のデメリット
メリットがある一方で、デメリットを2つ紹介します。
1.修繕費用が高くなる
中古物件の不具合は修繕によって解決できますが、そのぶん修繕費用がかかる点にご注意ください。中古物件のなかには、新築時の設備がそのまま使用されている場合も少なくありません。
修繕費用がかかりすぎると、投資計画どおりの利回りでの運用が難しくなる場合もあるため、定期的なメンテナンス費用も含めた資金計画を立てるようにしましょう。
2.初期費用が割高
中古物件購入の初期費用として、契約時に「印紙税」、ローン借入時に「融資事務手数料」「ローン保証料」「抵当権設定登記費用」「火災保険料」などがかかります。そして、物件の引き渡し時にも「所有権移転登記」「司法書士への依頼料」などが発生します。
これらの初期費用は、新築物件でもほぼ必要になる費用です。しかし、中古住宅の購入を仲介会社に依頼した場合は、新築物件ではかからない仲介手数料が発生するため高くなる傾向があります。