新築物件よりも購入価格が安いことから、高い利回りを出しやすいとして中古不動産投資が注目を集めています。では、実際に中古マンションで投資を始めた場合、どの程度の利回りを見込めるのでしょうか。本記事では、中古不動産投資の利回りやメリット・デメリット、ありがちな失敗例とその回避策などについて解説していきます。
新築よりも高利回りになりやすい…中古マンションを2,000万円で購入、家賃8万円で貸した場合の「驚異の利回り」

「中古不動産投資」とは?

中古の不動産投資とは、市場に流通している中古の不動産物件を購入して賃貸経営をすることです。中古の不動産であればすべての不動産が対象になりますが、現実性や投資の成功率を考えると、中古の区分マンションを指していると考えてよいでしょう。

 

なぜマンションが現実的なのかというと、アパートや戸建て住宅と違って耐用年数が長いからです。アパートや戸建て住宅の多くは木造建築なので法定耐用年数が22年であるのに対して、多くのマンションが該当するRC造の建物は法定耐用年数が47年です。法定耐用年数と実際に使用できる年数はイコールではありませんが、RC造のほうが長く使用できて資産価値が維持されることは明白です。

 

また、金融機関の融資を利用する際にも法定耐用年数の残存年数が強く影響をおよぼすため、融資を活用するという意味合いにおいても、RC造のマンションが中古不動産投資の本命になるというわけです。

中古不動産投資は利回りが高いが…新築と比べてどれほどの差がある?

中古不動産投資は利回りが高いことが特徴です。以下は利回りの計算式ですが、これを見るとなぜ中古不動産投資の利回りが高くなるのかがおわかりいただけると思います。

 

年間の不動産収入÷物件の取得費用×100=不動産投資の利回り

 

これは物件の維持費や管理費などを考慮していない表面利回りの計算式です。実際には経費を差し引く必要がありますが、比較しやすいように最もシンプルな計算式を提示しました。この計算式を踏まえると、不動産収入が多くなるか、物件の取得費用が安くなると利回りは向上します。その両方だと、さらに利回りは高くなります。

 

新築物件の場合、家賃も高くなりますが物件の取得費用も高くなります。特に新築の不動産物件には「新築プレミアム」といって実勢価格よりも割高になる上乗せ分があるため、これも利回りを低下させる要因になります。その一方で中古物件はそれほど家賃の低下がないですが、物件の取得費用に「新築プレミアム」が上乗せされていないため、利回りは高くなります。

 

5,000万円の新築マンションを購入、家賃10万円で貸す場合の利回り

それでは、簡単に試算をしてみましょう。5,000万円で新築マンションを購入し、それを家賃10万円で貸したとします。利回りは、以下のとおりです。

 

120万円÷5,000万円×100=2.4%

 

2,000万円の中古マンションを購入、家賃8万円で貸す場合の利回り

次に、2,000万円で買った中古マンションを家賃8万円で貸したとします。こちらも利回りを計算してみましょう。

 

96万円÷2,000万円×100=4.8%

 

あくまでも机上の計算ですが、新築では2.4%だった利回りが中古だと4.8%になりました。中古マンションは家賃の下落がそれほどない一方で取得価格が安くなるため、このように倍の差がつきました。この例のように「家賃の下落が少ない一方で安く物件を購入」することができれば、高い利回りを確保できるのが中古マンション投資です。