新築物件よりも購入価格が安いことから、高い利回りを出しやすいとして中古不動産投資が注目を集めています。では、実際に中古マンションで投資を始めた場合、どの程度の利回りを見込めるのでしょうか。本記事では、中古不動産投資の利回りやメリット・デメリット、ありがちな失敗例とその回避策などについて解説していきます。
新築よりも高利回りになりやすい…中古マンションを2,000万円で購入、家賃8万円で貸した場合の「驚異の利回り」

中古不動産投資の失敗事例と回避策

中古物件を購入する場合、リフォーム・リノベーション済物件から探す方法や購入後に自分でリフォーム・リノベーションする方法があります。リフォーム・リノベーション済物件から探す場合は、貸し出し時に物件に手を加えなくてよいイメージがありますが、物件の状態によっては不具合が出てくる場合もあるようです。

 

たとえば、「見た目はキレイだったが、実は壁の内部が腐食しており、購入後に多大の補修費用がかかった」「物件の防音性が低く、内見時には気づけなかった問題が生じた」などがあげられます。購入費用が安いのは中古住宅の魅力ではありますが、状況によっては購入後に出費がかさむケースもあり得ます。後悔しないためにも、信頼できる不動産会社とのパートナーシップが重要になってくるでしょう。

 

こうした中古物件のリスクが現実になってしまうと、不動産投資の失敗につながります。ここでは2つのありがちな失敗事例を紹介しつつ、それを回避する方法について解説します。

 

失敗事例1:見えない部分に重大な不具合が見つかった

先ほど触れたように、中古物件の購入時には見えないリスクにも十分目を光らせる必要があります。ある中古物件を「室内がきれいだから」という理由で気に入り、これなら入居者も付きやすいと判断した人が購入をしました。

 

しかし、購入して入居者が付いてから見えない部分の腐食が見つかってしまい、それを修繕するのに多大な費用が掛かってしまいました。当初の計画で想定していた利回りは、修繕費用の増大によって低下してしまい、安くてお買い得だと思っていた物件が「安物買いの銭失い」になってしまった格好です。

 

⇒回避策

こうした失敗例はとても多く、中古マンション投資における最大のリスク要因といってもよいでしょう。中古物件はすでに完成している物件を内見できるため、実物を確認できることはメリットなのですが、建物や建築のプロではない限り、見えない部分にひそんでいる不具合を見極めるのは不可能です。

 

そこで活用したいのが、プロによって物件のチェックが受けられるホームインスペクション(住宅診断)です。プロによる中立的な物件の評価を知ることで、見えない部分も含めた妥当な価値が分かります。もし不具合が見つかったとしても、その修繕費を含めて採算性を確保できる価格で購入できるのであれば、購入してもリスクは低くなります。

 

また、この問題の以前に意識したいのが、物件を提案している不動産会社の信頼性です。投資物件に強く、さらに中古マンションの取り扱い実績が豊富な不動産会社であれば、リスク要因に対する提案力も高いため、購入後のトラブルを防止できることが期待できます。まずは、信頼できる不動産会社であるかどうかを精査することが重要です。

 

失敗事例2:騒音トラブルで入居者が退去してしまう

築年数、内観ともに魅力的だと思ったので購入した中古マンションでしたが、入居者が短い期間で退去するといったことが続いています。退去者に理由を尋ねると「隣人がうるさい」という騒音トラブルに起因していることが分かりました。隣人を退去させるわけにもいかず、購入した物件の「外」にあるリスクが顕在化しました。

 

⇒回避策

マンションは集合住宅なので、住人同士のトラブルが現実にあります。国土交通省が定期的に行っている「マンション総合調査結果」の平成30年度版では、マンション居住者間のトラブルで「生活音」は38%となっており、「違法駐車」や「ペット飼育」に次ぐ3位です。それまでの調査結果と比べると減少傾向にあるのは、マンションの防音性能が向上しているからだと推測できます。

 

しかし中古物件のなかには十分な防音性能が確保されていない、もしくは経年劣化によって防音性能が低下してしまったために騒音トラブルが頻発しているマンションが少なからずあります。十分な防音性能があるかどうかのチェックと、隣や近隣にどんな人が住んでいるのかを十分に調べることは重要です。

 

不動産会社にこれらの点を確認するのはもちろんですが、自分でも購入予定のマンションに行ってみて、トラブルの兆候のようなものがないかチェックしましょう。