40代は、子育てや住宅ローンの返済で資金に余裕がなく「不動産投資は難しい」と考える人もいます。本記事では、あえて40代で不動産投資を始める際の5つのメリットを注意すべきポイントとともに解説します。
子育てや住宅ローン返済で大変でも…あえて「40代から」不動産投資を始める5つのメリット

40代で不動産投資を始める「注意点」3つ

40代は不動産投資を始める適齢期ともいえる年代ですが、その一方で40代特有の注意点もあります。ここでは40代で不動産投資を始めようとお考えの方が知っておくべき3つの注意点を解説します。

 

注意点1.ローンの借入期間が短くなる可能性

一般的に不動産投資向けのローンは最長の返済期間が35年です。ただしこの最長期間は築年数によって変動するので、あくまでも「最長」です。建物には法定耐用年数が定められており、多くのマンションが該当するRC造の建物は法定耐用年数が47年です。中古物件の購入でローンを組む場合、法定耐用年数から築年数を差し引いた残存年数が最長の返済期間となることが多いため、築20年の中古マンションを購入する場合は47年から20年を引いた27年が最長と推測できます。

 

こうした返済期間の考え方に加えて、40代の方が注意したいのは完済時年齢です。仮に45歳の方が35年のローンを組むとすると、完済時年齢は80歳です。さすがに65歳の人が35年ローンを組んで100歳まで返済を続けることは平均寿命の観点からも現実的ではなく、こうした事情を踏まえて金融機関は上限の年齢を設定しています。

 

たとえばオリックス銀行の不動産投資ローンは完済時年齢を80歳未満としているため、35年ローンを組むとなると45歳がタイムリミットとなります。この完済時年齢と、中古マンションの場合は残存年数が加味されるため、40代の方がローンを利用する場合には返済期間が短くなる可能性があります。

 

注意点2.健康状態によって団信に加入できない

団信とは団体信用生命保険のことで、住宅ローンや不動産投資向けローンなどを利用する際に加入する保険です。万が一借り入れをしている本人が亡くなったり返済不能になったりした場合には、保険金で残債を完済するためのもので、家族などに迷惑をかけないためにも重要な仕組みです。団信は正式名称が示しているように、生命保険の一種です。既存の生命保険会社が引受会社となり、ローン返済額の一部を保険料として徴収し、万が一の事態が起きた際には保険金を支払うことで残債を完済します。

 

一般的に生命保険に加入する際には健康状態の審査があり、健康状態によっては加入できなかったり、条件が付けられたりすることがあります。団信も同様に健康状態によっては加入できないことがあります。40代になると年齢的に持病をもっている方も多いため、健康状態が団信への加入に影響を及ぼし、場合によってはローンそのものを利用できないこともあります。

 

注意点3.リスクが顕在化する世代

40代は働き盛りの世代ですが、その一方でさまざまなライフイベントや人生を送る上でのリスクが顕在化する世代でもあります。本人の病気や失業だけでなく家族の病気や失業、事故など、リスクを挙げるときりがありません。

 

不動産投資には保険効果があるのでリスクに強い一面があるものの、短期的なリスクに対処するための資金的な余裕を持たせておくことは重要です。短期的な資金不足で所有物件を手放してしまうことになると不動産投資だけでなく人生全体の計画も大きく狂ってしまいかねません。40代で不動産投資に取り組む方は、何か起きても物件を手放さなくても済むだけの現金は手元に置いておきましょう。