集団接種のカラクリ…巧妙に関与していた「人材派遣」
実はこの集団接種にはカラクリがある。 2021年の4月ごろ急遽決定された集団接種においては、任された各自治体のマンパワー不足はもちろんのこと、ワクチンの確保や事務作業・手続きなど不慣れの連続であった。
このため、ほとんどの自治体は医療管理に慣れている健診クリニックや株式会社に、集団接種のマネージメントを依頼した。 医師・看護師などの医療者確保に関しても当然外注しており、そこに「人材紹介会社」が巧妙に関与していたのである。
ワクチン集団接種のマネージメントにより大きく収益を得た健診専門の医療機関や株式会社は、高額な業務委託費用を請求する代わりに、熟知したノウハウで円滑かつ迅速な集団接種を実施することができた。
ここに医師や看護師を扱う人材紹介会社が二次委託として入り、高額な報酬をちらつかせることで、(その質は担保されていないものの)医療スタッフを確保し、報酬の25~30%とされる紹介手数料を手に入れていた。 この時期の人材紹介会社の株価が大幅に上昇していた様子からも、こうした国策による金銭の動きが読み取れる。
総括すると、医師の人件費もそうであるが、集団接種のマネージメントが可能な法人による「中抜き」と、それに付随した人材紹介会社の「紹介手数料」に公費の多くが流れていたのである。
余談ではあるが、医療者のみならずワクチン配送時においても、多重下請けによる「中抜き」が実施されていた。肝心の地方自治体もこの実態を把握できておらず、責任の所在が不明のまま、不透明な状況下でワクチン配送や管理は行われていた。
「中抜き」のエビデンスとしては、同じ集団接種会場で対応する医師の時給が異なっていたことが挙げられる。医師会等への委託による医師の時給は20,000円~40,000円であるのに対し、派遣会社経由では15,000円~20,000円と明らかな差があった。
大学病院からの派遣の場合、日給60,000円という例もあった。 この報酬の差は、運営する医療機関・派遣会社等における「中抜き」が示唆されている。
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