災害にはさまざまな種類があります。日本は地理的な理由から地震が多いとされますが、近年はそれ以外にも「気象災害」として水害なども多く、決して防災への準備は他人事ではありません。もしもの事態に備えて、子どものいる家族ならどんな準備をすればよいか、また実際に災害が起こったらどう行動すればよいか、NPO法人ママプラグ理事・宮丸みゆきさんに心構えやポイントについて伺いました。
災害からどう家族を守るか…家庭でできる「防災対策」10個

【その1】まずは地域のハザードマップの確認を

 

まずはお住まいの地域のハザードマップを確認しましょう。家のまわりだけでなく、学校や職場、最寄りの駅など、よく行く場所は必ずチェックしておくことです。

 

また、そこまでのルートにも危険な場所がないかをみておきましょう。地下道を止めて歩道橋のルートにしたり、広い道にするなど、いざというときのリスクを回避できる手段を考えておきたいもの。

 

ハザードマップは、紙で配られるものの他に、自治体や国土交通省のサイト上でも見られます。洪水や津波、土砂災害など、さまざまな種類に分かれていますが、複数のリスクを調べるには国土交通省の「重ねるハザードマップ」というサイトが便利です。表示する情報を選ぶと、同じ地図上で一度に見られるようになっています。

【その2】自宅のリスクと備蓄をチェックする

自宅が浸水区域や土砂災害の警戒区域であれば避難が必要になりますが、状況によって自宅にとどまっても問題ない場合もあります。災害の最中に子どもを連れて移動するのはむしろ危険な場合もありますし、避難所で不特定多数の人に囲まれて過ごすよりも自宅の方がストレスは少ないもの。とはいえ、自宅に留まれるかどうかはよく見極めましょう。

 

確認すべきことは、地震に対しては自宅の「耐震性」に問題がないか。また、避難生活が送れる「備え」があるかどうかです。水や食べ物の備蓄、簡易トイレなどの準備も必要ですし、室内で物が落ちたり、壊れたりしないような対策も行いましょう。

 

自宅が危険な場合は避難所への移動を考えますが、それ以外に友人・知人、親戚の方のお宅で頼れるところがあれば、そこへの避難も検討してみてください。あるいは大雨や台風などの水害やそれに伴う土砂災害が心配な場合は、安全な場所にあるホテルなどに宿泊してやり過ごすのも1つの方法です。

【その3】小学生以上なら「自分の身を守る方法」を教える

保育園・幼稚園に通う未就学児であれば、保育士や先生の目の届く範囲にいる状態です。ただし、通っている園がどんな防災対策を取っているのかはしっかりと確認しましょう。それで納得したら、信頼して任せること。警報が出ている中で、無理にお迎えに行くのはかえって危険です。

 

小学生になると、時間によっては子どもだけだったり、携帯も持っていない場合があります。そこで、大人がいない中でも「自分で、自分の身を守る」という意識を持てるように教えておくことが重要です。

 

たとえば通学途中で地震が起きたらどうするか。学校に戻るのか、それとも家に向かうのかなど、具体的なポイントを挙げて確認をすること。また、決められた通学路でも、地震の際に古いブロック塀や工事中の建物がある場所は危険ですし、災害が起きたら普段の時と違うことを子どもとよく話しておきしょう。