子どもでもスマホを使う機会が増加している昨今。「小さな画面ばかり見ていると、目が悪くなる……」と心配になる親御さんも多いでしょう。スマホの画面を長時間見ることによる目への悪影響と、子どもの目を守るために家庭でできる4つのポイントをご紹介します。
近視を甘くみてはいけない…子どもの眼を守る、4つのポイント【眼科医の解説】

だんだん視力が下がるのはなぜ?

保育園・幼稚園の頃はメガネをかけている子は少ないのに、成長するにつれてメガネをかける子が増えます。

 

子どもの視力低下の原因はさまざまにありますが最も多いのは近視です。近視になると近くは見えるけれども遠くが見にくくなります。「近視は遺伝だから仕方がない」と思われがちですが、遺伝だけではなく生活・環境が大きくかかわります。さらに近視は年々増えており、外遊びが減ったことやスマホなど手元を見る機会が増えたことがその一因となっています。

 

近視になっても「メガネをかければいいから問題ないのでは」と思うかもしれません。しかし、近視になることによって「緑内障・網膜剥離」など深刻な病気のリスクが増えます。できるかぎり子どもの将来のためにも目に優しい生活をさせてあげたいものです。

今日からできる、子どもの目を守るために大切な4つのポイント

 

子どもの目を守るポイント① 「30cm以上離して見る」

 

近視の原因として、特に問題なのが「手元で見ること」です。スマホの場合は20㎝程度で見る傾向にあります。スマホは画面が小さく、文字も小さいため、よく見ようと無意識に近づけてしまうのです。物を見るときは30㎝以上離すことが重要です。勉強のときや、本を読むときも「姿勢をよくして30㎝離す」ことが目を守ることにつながります。

 

しかし30㎝と言われても子どもはなかなかピンときません。30㎝の指標となるものを置いてあげるとわかりやすいです。30㎝定規やA4の縦幅など大体30㎝のものを渡して、「このぐらい」と言ってあげるほうがよいでしょう。テレビ画面にうつす、大きめのタブレットで見るというように、なるべく大きなモニターにうつすように工夫すると距離を取って見やすくなります。

 

子どもの目を守るポイント② 「30分に1回は目を休ませる」

 

連続して30分以上見ることも近視を進行させてしまいます。ですから、30分見たら20秒は目を休ませて遠くを見たりしましょう。とはいえ家事をしている時に、動画を見せるなどの時間はほしいもの。たまには連続して1時間程度見せてしまうこともあるとは思いますが、基本的には30分に一度はちょっと目を離すように教えてあげていただければと思います。

 

子どもの目を守るポイント③ 「外遊びで目を休める」

 

外遊びをすることも目を休めて近視の進行を抑制するのに有効であることがわかっています。しかし最近は公園でゲームをしている子をよく見ます。外遊びとはいっても公園でゲームをしていることは、目を休めることにはならないので注意が必要です。遊びでなくても散歩でも構いません。楽しい外遊びを提供してあげるように工夫しましょう。

 

子どもの目を守るポイント④ 「寝る1時間前には見ない」

 

寝る1時間前にはスマホはもちろん、テレビなどの画面を見ないようにすることも大切です。睡眠前に光るデバイスを見てしまうと睡眠の質が低下することがわかっています。お子さんの適切な成長を促すためにも寝る1時間前からは目を休める習慣をつけていただければと思います。

 

 

 

現代の生活において、子どもにスマホを使わせないというのは難しいもの。適切な付き合い方をして、より目に優しい使い方をしていただければと思います。