「しみ」の種類によって正しい治療を受けることが大切
男性患者からのしみのご相談のうち、大半は「老人性色素斑」、「脂漏性角化症」ですが、なかには男性では稀なはずの疾患で受診される方もいらっしゃります。
いわゆる「しみ」である「老人性色素斑」は主に顔や手の甲、前腕など紫外線の当たる部分にできる丸い円形の平らな褐色斑です。しみができていない皮膚との境界がはっきりしているのが特徴です。紫外線の影響や皮膚の老化により、中年以降に出現するといわれています。
こちらは自費診療のレーザー治療やトレチノインによる治療が有効です。
一方、「脂漏性角化症」は、別名「老人性疣贅」といい、いわゆる老化により生じる「いぼ」です。「老人性色素斑」から隆起してくることが多く、全身に出現し、少し盛りあがった褐色〜黒褐色斑です。多くの高齢者でみられます。
こちらは保険診療での液体窒素による治療、自費診療での炭酸ガスレーザーによる治療が有効です。
また、男性にしては珍しい「母斑(ほくろ)」のような症状をおもちの患者さんから相談をお受けしたこともあります。「母斑(ほくろ)」は皮膚に生じる腫瘍のひとつで、場合によっては手術が必要です。
このように「しみ」と一言でいっても複数の疾患に分かれており、それぞれ有効な治療が異なります。また、疾患によっては「しみ」治療により「しみ」が悪化してしまう可能性も十分にあります。まずは皮膚科を受診し、専門医による診断を受けることが大切です。
次回は実際のしみにレーザー治療を受けるとどのような変化が起こるのか、治療の際はどのようなことに気をつけるべきかについてお伝えしたいと思います。